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インプラント埋入後に気をつけること
2020年11月5日
こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
「インプラントにしたらケアしなくても永久に持つ」
「歯磨きなどの細やかな手入れから解放される」
などと誤解される方も非常に多いですが、インプラントを入れたら一生安泰ではなく、メンテナンスが欠かせません。
自分の本当の歯があった時と同じように、あるいはそれ以上にメンテナンスをする必要があります。
せっかく入れたのに腫脹し痛みが伴い使えなくなることにならないようにケアをしていく必要があります。
そこで最も気をつけなければいけないのが「インプラント周囲炎」です。
インプラント周囲炎はインプラントの歯周病のようなもので、インプラントと歯肉の間から細菌が侵入し周囲の粘膜に炎症を来すことで、まず「インプラント周囲炎」となります。歯でいう歯肉炎のようなものです。
そしてこれがさらに進行し骨まで進行し影響を及ぼし、インプラント周囲の骨が溶けるとインプラント周囲炎となります。
インプラントを支える骨が溶けると、やがてインプラントが抜け落ちてしまうリスクが高まってきます。
自分の歯、いわゆる天然の歯には、歯根膜などの歯周組織による結合組織付着で細菌の侵入を防いでいるのですが、インプラントの場合はこの歯周組織の壁がないため細菌が侵入しやすく、ハイスピードでインプラント周囲炎は進行していきます。
インプラント周囲炎は現代の医療では治ることはありません。
進行を防ぐように何かしらの処置を施したりすることはあるのですが完全に骨が回復して元に戻るということはありません。
最悪、インプラントを撤去して骨を再度洗浄し作ってから新たに埋入せざるを得ないこともあります。
特に、歯を失った原因が歯周病の人は、インプラント周囲炎になるリスクがとても高いです。
だからこそ、インプラント治療の前に徹底した歯周治療を受ける必要があり、細菌リスクが低下した段階でインプラントを入れるべきなのですが、患者さんによっては早期に入れて欲しいという希望で歯周治療が中途半端な状態でインプラントをスタートすることがあります。
しかしこのような場合の多くはやはりインプラント周囲炎に罹患してしまいます。
インプラント周囲炎を予防するためにはまず、歯磨きなどの毎日の清掃が基本となります。
そして定期的な歯科医院でのメンテナンスが必要となります。
また歯軋りをする方などは、被せ物の破折を防止するためにも必要に応じてマウスピースの作成などが必要になることがあります。
被せ物は欠けたりすることがありますし、ネジ(スクリュー)が緩むことがあります。
歯科医院で必ずチェックを受けて必要であれば、被せ物の新製を行いましょう。
特に被せ物に関しては10年程度で交換することが多いです。
使用していると歯のすり減りと同じように被せ物のすり減りがありますので、必要に応じて交換する必要があると考えられます。
インプラントのメンテナンスで大切なのが、毎日の歯磨きであり特に構造が複雑なインプラント補綴は入念な手入れが必要となってきます。
歯ブラシは細かく動かすことがまず必要であり、歯肉との境を特に意識して磨く必要があります。
また歯間ブラシやデンタルフロスを用いて間を磨くようにしましょう。
インプラント直径は太くても5mm程度です。臼歯部においては、天然の歯の歯根直径は10mm以上あり単純にその半分ぐらいとなります。
それに対して被せ物の歯冠部の大きさは同じですから、磨く範囲がどうしても広くなります。
この範囲をしっかりとケアしないと汚れが残存してしまいインプラント周囲炎の原因となります。
まず、インプラントを入れたら歯科衛生士さんと一緒にケアの方法を確認していきましょう。
インプラントが一生持つように歯科医院と一緒に頑張っていきましょう!
コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
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