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インプラントと糖尿病

2020年4月30日

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

 

生活習慣病の一つである糖尿病。

 

日本人における国民病と呼ばれる疾患の一つで、罹患が強く疑われる成人男女は約1000万人。
予備軍と合わせると約2000万人いると言われます。

 

人口に換算すると、日本人の6人に1人、40歳以上では4人に1人の割合で認めます。

 

 

糖尿病には4種類の型があり、日本人の患者さんの9割が2型糖尿病となっています。

 

この2型糖尿病は、遺伝的要因(血縁者に糖尿病の方がいる)や環境的要因(過食や運動不足)もあり、生活習慣との関わりが強いと
言われています。

 

 

糖尿病を放置してしまうと、血糖値が上昇します。
血糖値が上昇することで、血管の壁に傷がつき、血流が悪化します。

 

 

これをそのまま放置していくと、様々な合併症が出現してしまいます。

 

糖尿病における3大合併症と呼ばれるものが
1・神経障害(手足に痺れ)
2・腎症(おしっこが作れない)
3・網膜症(失明のリスク)

 

 

さらに、動脈硬化による疾患や、歯周病の悪化などがあります。

 

 

簡単にまとめると、高血糖になると保沿い血管や血液の流れが悪くなり、細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らず、細胞の働きが低下してしまいます。

 

 

よって、本来防御できるはずの感染源に対して、対抗できなくなってしまうのです。

 

 

糖尿病の状態が非常に悪い方の口腔内は、非常に悪化していることが多いです。特に歯周病は急速に進行傾向にあります。

 

 

 

歯周病細菌に対しての反応が鈍化しているため、歯周病が進行しているという説と、過剰な免疫応答で歯周病が進行してしまう説のどちらかに免疫学では分かれておりますが、どちらにせよ歯周病が進行してしまうことは間違いないです。

 

 

またもう一点大事なことが。
「傷が治りにくい」もしくは、「傷が感染しやすい」ということです。

 

 

 

インプラントの外科処置においては、傷が治らない、感染しやすいということはインプラントの生存に大きく影響を与えます。

 

 

抜歯などの一方通行な治療は、傷を治すことだけにフォーカスを当てればなんとか治るのですが、インプラント場合は最悪インプラントが骨とくっつかずにずっと感染源として居座る可能性があるのです。

 

 

ですので、糖尿病の方は必ずインプラントの外科処置を行うときは、血糖値やヘモグロビンA1cなどの数値を事前に確認しコントロールされているのを確認してから治療を開始するようにしています。

 

 

しかし、糖尿病はサイレントキラーと呼ばれる疾患でほとんど日常生活に影響の出るような症状が出現しないのが特徴です。

 

 

自分で糖尿病を認識していない方もおられますし、逆に糖尿病と診断を受けているのだけど未治療の方、歯科には申告していない方も多くいらっしゃいます。

 

 

口腔内の歯周病の進行状態や、糖尿病の方で特徴的な口臭を感じればこちらから確認してわかることもあります。

 

 

近年の研究では、歯周病を治療することで血糖値が改善されたという研究も出てきています。

 

まさに口腔内細菌が全身を悪化させている可能性を示唆していると言えます。

 

 

口腔単一で考えるのではなく、常に全身を考えて治療を行っていきましょう。

 

 

 

 

 

 

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