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複数インプラントの並行性の重要性

2020年9月19日

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

先日初診でいらした患者様。
右下のインプラントを過去他院で数年前に入れていますが、被せ物が脱離してしまったほか再度の被せ物が不能であるため、当院でみて欲しいと訴えて来院。

 

このように右下に3本のインプラントが埋入されている状態です。
課題はこんな感じ。

 

・3本入っていますが、一番手前のインプラントと、奥のインプラントの角度が「ハの字」になってしまっています。

 

・インプラント周辺の骨が溶けてしまう、インプラント周囲炎に罹患しています。

 

このような埋入方向となってしまった理由は分かりませんが、あえて傾斜埋入する場合というのはあります。

 

それは、「骨がない場合」です。

 

骨がない場合において、骨造成などを伴わずにインプラント行う場合、骨があるところを目掛けてインプラントを打つため傾斜埋入という方法をとります。

 

傾斜埋入の最大の利点は、骨造成をする必要がないこと。

 

しかし実は、デメリットもあり傾斜埋入することで、噛み合わせによるインプラント本体への力のかかり方が負担になりやすいということがあります。

 

本来奥歯に関しては、咬合関係は垂直にあり、それに応じて根も垂直に存在しています。

 

しかし傾斜埋入されたインプラントは、垂直的な力が真下にかかるのに対して、斜めで受け止めるためどうしても負担になります。

 

そのため、ブリッジや連結などで被せ物を作成する場合は、脱落の可能性が高いことや、インプラント周囲炎のリスクがすごく高まります。

 

サージカルガイドを用いたオペが主流となった現代のインプラント治療においては、ほとんど傾斜埋入することはなくなりました。

 

複数本の埋入ですが、垂直に入っていることがわかります。
これは、当院でサージカルガイドを用いて行いました。

 

口腔内というのは、寝た状態でみると垂直と思っていても実は斜めだったということがよくあります。
これはいくら経験を積んだ先生でも起こることです。

 

サージカルガイドなどはそれをサポートしてくれます。

 

サージカルガイドを用いたインプラント治療は標準的になってきました。

 

より長期的な予後に優れた治療を受けるようにしましょう。

 

 

 

コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
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