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下歯槽神経までの安全域

2023年1月18日

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

下顎臼歯部のインプラント治療を行う上で考慮すべきこととして、下歯槽神経までの距離があります。
下歯槽神経とは、下顎骨内に左右走行する知覚神経。
下顎の歯、下唇、皮膚、舌の一部の感覚を司どる感覚神経です。
この神経に麻痺や異常が出現すると、痺れや麻痺の症状が上記周辺に出現します。
顔面神経麻痺と混合しがちですが、顔面の筋肉に強張りが出てしまう顔面神経とは全く異なります。
下歯槽神経麻痺が出現しても、顔面神経麻痺の初見は現れません。

下歯槽神経は下顎臼歯部にいけばいくほど、浅くなっていきます。

インプラントの長さを決めるためのプランニング。
CT撮影し神経を描記させて距離を決めます。
このプランニングでは8.5mmのインプラントを選択すると神経の外側から0.74mmとかなり近接してしまいます。
そのため、もう少し短いインプラントを選択するか、浅く埋入して上に骨を作るかのどちらかを選択する必要があります。

一般的な神経への安全域はインプラント体から1.5mmと言われています。
1.5mm以下になると、インプラントを埋入するために形成する行為でも骨伝導が発生するためそれにより麻痺が出現する可能性も出ていきます。インプラント体が下歯槽神経に触れていなければ麻痺は徐々になくなっていきますが、そこまで無理をしなくても短いインプラントで直径を太くするなどをしたりすることで確実にリスクは下げられます。
CTによる事前診査はとても大切ですね。
気になる方はご相談ください。

 

 

コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
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