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インプラントホール形成時のボーンヒート

2024年5月8日

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。
 
インプラント治療は13年間行っていますが、先日初めてボーンヒートに出会しました。
 
ボーンヒートとは、骨切削時の摩擦による発熱で、骨壊死が生じることです。
 
インプラントは高速回転のドリルで顎骨を皮質骨を削り、海綿骨に達するインプラントホールを形成するのですが、最近は超低速の無注水で形成することも増えてきました。
 
この形成時に、インプラントホール表面の熱損傷は47度以上の温度が1分間以上作用した場合生じるとされています。その熱損傷によって引き起こされる骨壊死が骨とインプラントとの結合を阻害して、無菌性骨壊死を生じるとされています。
 

 
術後のレントゲン写真。
 
初期固定も良好で、感染なくインプラントが埋入できましたが炎症が1週間経っても引かず。術中のポイントとしては骨質がかなり硬く骨からの出血量が少ない状態でした。
 
この部位は欠損後長期間経過(ブリッジのポンティック部分)とされていたこともあり、骨がかなり硬くなってしまっていた可能性も。
 
ドリルの回転数や形成はマニュアル通りでも、注水量が骨質に対してやや少なかったのか。
 
初期固定は失われているため一旦撤去しました。
 
様々考察してみましたが、感染要因は考えにくくインプラント形成時及び埋入時の摩擦による発熱が最も疑わしく考えられます。
 
3ヶ月一旦治癒経過を追い、再度埋入へ。一旦骨にアプローチかけた後のリモデリングであるため骨質は改善されていると考えられます。
 
骨質が硬いということは良い反面、気をつけなければ骨結合を発熱により失われることもあります。
 

 

コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
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