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インプラントと入れ歯どっちがいい?メリット・デメリットと選び方を解説

2024年12月9日

インプラントと入れ歯どっちがいい?メリット・デメリットと選び方を解説

歯を失った際の治療法として、インプラントと入れ歯、どちらを選ぶべきか悩む方は多いでしょう。

それぞれにメリットやデメリットがあり、費用や治療期間、手入れのしやすさなど、多くの要素が関わってきます。

この記事では、インプラントと入れ歯の違いをわかりやすく解説し、それぞれの利点や注意点について詳しくご紹介します。

インプラントと入れ歯の違い

インプラントと入れ歯の違い

インプラントと入れ歯は、どちらも失った歯の機能を回復させる方法ですが、その特徴や適用方法には大きな違いがあります。

ここでは、手術の有無、保険適用の可能性、治療にかかる期間、そして日々のケア方法など、主要な観点からインプラントと入れ歯の違いを詳しく見ていきます。

手術の有無

インプラントと入れ歯の最も顕著な違いの一つは、手術の有無です。

インプラント治療では、顎骨に人工歯根を埋め込む外科的処置が不可欠で、局所麻酔下で行われ、通常1〜2時間程度かかります。

手術後は、人工歯根と顎骨が癒合するまでの数ヵ月間、治癒期間が必要です。

一方、入れ歯の場合は外科的処置を必要とせず、歯科医師が口腔内の型取りを行い、それをもとに歯科技工士が入れ歯を作製します。

その後、歯科医師が患者さんの口腔内で適合を確認し、必要に応じて調整を行います。このプロセスは比較的短期間で完了し、患者さんへの身体的負担も少なくて済むでしょう。

保険適用の有無

インプラントと入れ歯の大きな違いの一つに、保険適用の有無があります。

一般的に、インプラント治療は自費診療として扱われ、保険適用外となるため、患者は治療費の全額を自己負担する必要があり、1本あたり30万円から50万円程度の高額な費用がかかります。

一方、入れ歯は保険適用が可能な治療法です。

保険適用の入れ歯であれば、患者さんの自己負担額は大幅に抑えられ、総入れ歯で約10,000円から15,000円、部分入れ歯で約5,000円から10,000円程度となります。

経済的な負担を考慮すると入れ歯が有利ですが、咀嚼力や快適さを重視する場合はインプラントが魅力的な選択肢となります。患者さんの状況や希望に応じて、適切な治療法を選択してください。

処置後のお手入れ方法

インプラントは顎骨に固定されているため、天然歯と同様のケアが可能です。通常の歯磨きに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、インプラント周囲の清掃を行います。

電動歯ブラシも効果的で、特にインプラント専用のブラシヘッドを使用すると良いでしょう。

一方、入れ歯は取り外しが可能なため、異なるアプローチが必要で、毎食後、または少なくとも1日1回、入れ歯を取り外して専用のブラシで洗浄します。

入れ歯洗浄剤を使用すると、より効果的に細菌を除去でき、入れ歯を外した後の残存歯や歯肉、舌のブラッシングなどの口腔内のケアも重要です。

インプラントは長期的なメンテナンスが必要で、定期的な歯科検診が推奨される一方、入れ歯は定期的な調整や再作製が必要になる場合があります。

両者とも、適切なケアを行うことで、口腔内の健康を維持し、処置の寿命を延ばすことができます。

インプラントのメリット・デメリット

インプラントのメリット・デメリット

インプラントは、失った歯の機能を最も自然に近い形で回復させる治療法として注目されていますが、他の治療法と同様に、インプラントにもメリットとデメリットが存在します。

ここでは、インプラント治療を検討している方々に向けて、その長所と短所を詳しく解説します。

メリット

インプラント治療は、失った歯の機能と審美性を回復する優れた選択肢です。その主なメリットは以下の通りです。

  • 天然歯に近い見た目と機能
  • 安定性と噛む力
  • 周囲の歯への影響

インプラントは、周囲の歯と調和するよう色調や形状が調整されるため、自然な笑顔を取り戻せるでしょう。

また、顎骨に直接固定されるため、咀嚼時の感覚も天然歯に近く、食事を楽しむ喜びを再び味わえるようになります。

従来のブリッジ治療では、隣接する健康な歯を削って支台とする必要がありましたが、インプラントではそのような処置が不要で、健康な歯を保護し、将来的な歯の問題リスクを軽減できます。

インプラントは単に失った歯の代替としてだけでなく、口腔全体の健康と機能を維持・向上させる優れた治療法といえます。

デメリット

インプラント治療の主なデメリットについて解説します。

  • 高額な費用
  • 手術のリスク
  • メンテナンスの必要性

一般的に、1本のインプラントにかかる費用は30万円から50万円程度と言われています。この金額は、保険適用外の自費診療であるため、患者さんが全額自己負担しなければなりません。

インプラント治療は外科的処置を伴うため、感染症や神経損傷、上顎を傷つけてしまうリスクが存在します。

天然歯と異なり、インプラントには歯根膜がなく、細菌感染に対する抵抗力が低くなっているため、日常的なケアに加えて、定期的な歯科検診が推奨されています。

費用、リスク、そしてメンテナンスの必要性を考慮した上で、歯科医師と相談しながら最適な治療法を選択しましょう。

入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯は、長年の使用実績と技術の進歩により、多くの患者さんにとって信頼できる選択肢です。しかし、インプラント治療と同様に、入れ歯にも独自のメリットとデメリットが存在します。

ここでは、入れ歯治療を検討している方々に向けて、その長所と短所を詳しく解説します。

メリット

入れ歯には、以下の3つのメリットが挙げられます。

  • 低コスト(保険適用)
  • 手術不要
  • 短期間で治療完了

入れ歯の最大の利点の一つは、その費用の手頃さです。特に保険適用の入れ歯は、患者さんの経済的負担を大幅に軽減します。

また、手術の必要がないため、手術に伴うリスクや不安を避けられるでしょう。治療期間は2週間から1ヶ月程度と短い期間で、日常生活に戻れることも大きなメリットといえるでしょう。

デメリット

入れ歯にもメリットと同様にデメリットも存在します。

  • 違和感や痛み
  • 噛む力の低下
  • 定期的な調整や交換の必要性

口腔内の粘膜に圧力がかかり、不快感や痛みを引き起こす可能性があります。この症状は時間とともに軽減されることが多いですが、適応には個人差があります。

入れ歯は天然歯ほどの咀嚼力を発揮できないため、噛む力の低下を感じるでしょう。

通常、入れ歯の咀嚼効率は天然歯の30%程度とされており、食事の際に制限を感じる場合があります。特に硬い食べ物や繊維質の多い食材を噛むのが難しくなることがあります。

さらに、入れ歯は定期的な調整や交換が必要です。

口腔内の状態は時間とともに変化し、顎骨の形状も徐々に変化していくため、入れ歯と口腔内のフィット感が悪くなり、装着感や機能性が低下することがあります。

また、入れ歯自体も摩耗や劣化が進むため、定期的なメンテナンスや数年ごとの交換が推奨されます。

自身の状況に合わせて、歯科医師と相談しながら最適な口腔ケアの方法を見つけましょう。

インプラントと入れ歯の選び方

 インプラントと入れ歯の選び方

インプラントと入れ歯は、どちらも失った歯の機能を回復させる有効な治療法ですが、それぞれに特徴があり、患者さんの状況によって最適な選択肢が異なります。

ここでは、インプラントと入れ歯のどちらを選ぶべきか、判断の基準となる要素について詳しく解説します。

費用や手入れを重視する場合

費用や手入れを重視する場合、入れ歯が適切な選択肢すると良いでしょう。入れ歯は保険適用が可能なため、経済的負担が比較的軽くなります。

インプラント 入れ歯
費用 1本:30万~50万円 総入れ歯:1万~1万5,000円

部分入れ歯:5,000~1万円

手入れ 日常のお手入れと、定期的な歯科検診が必要 取り外して洗浄が可能

手入れの面では、入れ歯は取り外しが可能で、専用のブラシや洗浄剤を使用して丁寧に清掃できるため、口腔内の衛生状態を維持しやすくなります。

噛み心地や審美性を重視する場合

噛み心地や審美性を重視する場合、インプラント治療を選択しましょう。インプラントは顎骨に直接固定されるため、天然歯に近い安定感と咀嚼力を実現できます。

インプラント 入れ歯
咀嚼力 天然歯の90%まで回復 天然歯の20~30%まで回復
審美性 周囲の歯と調和した自然な見た目 金属のクラスプ(バネ)が目立つ

ただし、インプラント治療には高額な費用と長期間の治療が必要となります。

また、顎骨の状態や全身の健康状態によっては適応できない場合もあるため、噛み心地や審美性を重視しつつも、個々の状況に応じて歯科医師と相談しましょう。

健康状態による選択

インプラント治療は外科的処置を伴うため、全身の健康状態が良好であることが前提となります。

高血圧、糖尿病、骨粗しょう症などの慢性疾患がある場合、インプラント治療のリスクが高まる可能性があり、特に骨の状態や血液凝固機能に影響を与える疾患は、治療の成功率に直接関わってきます。

一方、入れ歯は非侵襲的な治療法であり、健康上の制約が比較的少ないのが特徴です。重度の全身疾患を抱えている患者さんでも、入れ歯による治療は可能な場合が多いです。

ただし、口腔内の状態や残存歯の健康状態によっては、入れ歯の適合や使用感に影響が出ることもあるため注意が必要です。

健康状態による選択では、単に現在の状態だけでなく、将来的な健康管理の見通しも考慮する必要があります。

例えば、若年層で全身状態が良好な場合はインプラントが適している可能性が高いですが、高齢者や複数の慢性疾患を抱えている場合は、入れ歯の方が安全で管理しやすい選択肢となるかもしれません。

最終的には、歯科医師との詳細な相談を通じて、個々の健康状態に最適な治療法を選択を選択しましょう。

よくある質問

よくある質問

ここでは、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。インプラント治療と入れ歯の適応条件、寿命など、さまざまな観点から解説します。

インプラント治療ができないケースとは?

インプラント治療は、失った歯の機能を回復する効果的な方法ですが、すべての人が適応できるわけではありません。主なインプラント治療ができないケースとしては、以下のような状況が挙げられます。

  • 顎骨の成長が完了していない18歳以下
  • 骨密度が低下している高齢者
  • 糖尿病や心臓病、骨粗しょう症などの慢性疾患がある場合
  • 重度の歯周病や虫歯がある場合
  • 喫煙習慣のある方
  • 定期的なメンテナンスに通院できない方

ただし、これらの条件に該当する場合でも、必ずしもインプラント治療が不可能というわけではありません。

適切な前処置や代替治療法の検討、生活習慣の改善などにより、インプラント治療の可能性が開かれることもあります。歯科医師と十分に相談しながら最適な治療法を選択しましょう。

インプラントと入れ歯の寿命の違いは?

インプラントと入れ歯の寿命には、顕著な違いがあります。

インプラントは、適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、10年以上の長期使用が可能で、入れ歯の平均的な寿命は3〜5年程度です。

口腔内の状態変化や入れ歯自体の劣化が主な要因で、顎骨の形状変化により、入れ歯が合わなくなることも多く、定期的な調整や作り直しが必要です。

インプラントは顎骨に直接固定されるため、骨の萎縮を防ぎ、長期的な口腔機能の維持に貢献するのに対して入れ歯は、歯茎や顎骨への負担が大きく、長期使用による骨の痩せを招く可能性があります。

ただし、インプラントの寿命は個人の口腔衛生習慣や全身の健康状態に大きく左右され、喫煙や糖尿病などのリスク要因がある場合、インプラントの寿命が短くなる可能性があります。

まとめ

インプラントは天然歯に近い機能と見た目を実現しますが、高額で手術が必要な一方、入れ歯は低コストで手術不要ですが、違和感や噛む力の低下があります。

費用や手入れを重視する場合は入れ歯、噛み心地や審美性を重視する場合はインプラントを選ぶと良いでしょう。

健康状態や個人の状況に応じて、歯科医師と相談しながら最適な選択をすることが重要です。

小嶋デンタルクリニックでは、インプラントと入れ歯、それぞれの特徴や長所短所を丁寧に説明し、患者様の口腔内の状態、生活スタイル、予算などを総合的に考慮した上で、最適な治療法をご提案いたします。

インプラントをご検討の方は、ぜひ小嶋デンタルクリニックにご相談ください。