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インプラントは高い?費用相場と内訳・費用を抑える方法を解説
2024年12月9日
インプラント治療は、自然な見た目で天然歯とほとんど見分けがつかない優れた方法ですが、費用の高さに不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、インプラントの費用相場とその内訳、費用が高くなる理由、そして費用を抑える方法について詳しく解説します。
医療費控除の可能性や、治療費用に関する注意点なども含めて、インプラント治療の費用について総合的に理解を深めていきましょう。
インプラント1本あたりの費用相場
インプラント治療は失った歯を補うための効果的な方法ですが、費用は決して安価なものではないため事前にしっかりと把握しておくことが重要です。
ここでは、1本あたりの費用相場や内訳、前歯と奥歯の価格差について解説します。
1本当たり30万円~50万円程度
インプラント治療にかかる費用相場は、1本あたり約30万円から50万円程度とされています。
この価格には、インプラント体(人工歯根)、アバットメント(つなぎ部分)、そして人工歯(歯冠部分)の費用や、手術費用、診察料、術後のメンテナンス費用も含まれることが一般的です。
ただし、地域や歯科医院によって価格に差が出る場合があります。
都市部では、地価や人件費が高いため、治療費も高くなる傾向があり、東京や大阪などの大都市では、1本あたりの費用が50万円を超えることも珍しくありません。
クリニックを選ぶ際には複数の見積もりを取り、じっくりと比較してから決定しましょう。
費用の内訳
インプラント1本あたりの費用は、治療の各段階ごとに分かれています。以下がインプラント治療にかかる費用の主な内訳です。
- 検査・診断料:15,000~50,000円程度
- 人工歯:50,000~200,000円程度
- 手術費用:150,000円~350,000円程度
- メンテナンス費用:1,500~10,000円程度
追加で骨造成や仮歯が必要な場合は、さらに費用が発生するケースもあるため、具体的な見積もりや治療計画を歯科医とよく相談すると良いでしょう。
前歯と奥歯の価格差
奥歯と前歯のインプラント費用には大きな差はありませんが、一般的に前歯は審美性が重視されるため、高くなる傾向があります。
前歯に使用する人工歯には自然な見た目を再現するため、高品質な材料(セラミックやジルコニアなど)が使われることが多く、これが費用を押し上げる要因となります。
インプラント治療の費用が高い理由
インプラント治療は他の歯科治療に比べて高額になることが多いですが、それにはいくつかの理由があります。
インプラントは、単に人工歯を埋め込むだけでなく、骨や歯茎の状態を考慮し、精密な技術と高品質な材料が必要です。また、最新の設備や高度な衛生環境が求められるため、治療費が高くなる傾向があります。
ここでは、インプラント治療が高額になる主な要因について詳しく解説します。
インプラント本体の材料が高価
インプラント治療で使用されるインプラント本体は、顎の骨に埋め込まれる人工歯根であり、長期間体内に留まることが前提のため、生体適合性が高く、耐久性に優れた素材が使用されます。
多くのインプラントの材料は、高品質な材料であるチタンやジルコニアです。
チタンは、骨と結合しやすく、拒絶反応が少ないという特徴を持っており、インプラント治療において一般的な素材ですが、製造過程で高度な精度と品質管理が求められるため、コストが高くなります。
また、ジルコニアは審美性が高く、金属アレルギーのリスクを避けたい患者さんに選ばれますが、その分チタンよりもさらに高額になる場合があります。
これらの材料は単に高価なだけではなく、安全性や長期的な機能性を確保するために不可欠な要素です。結果として、インプラント治療全体の費用が他の歯科治療と比べて高額になる主な理由の一つとなっています。
セラミックを使用
インプラント治療では、人工歯の部分にセラミックが使われることが多いです。
セラミックは、見た目が天然歯に非常に近く、透明感や光沢感が優れているため、特に前歯など審美性が求められる部位でよく使用されます。
また、汚れがつきにくく、変色しにくいという特徴もあり、長期的な美しさを保つことができます。
しかし、その一方で、セラミック自体の材料費が高額であり、さらに製作には高度な技術と手間がかかるため、技工士の技術料も費用に含まれます。
これらの要因から、セラミックを使用するインプラント治療は他の素材に比べて高額になることが一般的です。
審美性と機能性を兼ね備えた素材であるため、高価ではありますが、多くの患者さんに支持されています。
最新の設備が必要
インプラント治療は非常に精密な処置を伴うため、治療の成功率を高めるためには、最新の技術を駆使した設備が欠かせません。
例えば、歯科用CTスキャンを使用することで、顎の骨や神経の位置を正確に把握し、インプラントを埋入する最適な位置を計画できます。これにより、手術のリスクを減らし、安全性と精度が向上します。
また、手術中にはコンピュータガイドシステムや3Dプリンティング技術も活用されることがあり、インプラントの埋入位置や角度を事前にシミュレーションを行います。
これらの高度な機器は導入や維持にコストがかかるため、その分治療費にも反映されます。
衛生環境の整備が必要
インプラント治療は顎の骨に直接埋め込む外科手術であり、細菌感染を防ぐために、治療環境の清潔さが重要で、通常の歯科治療以上に徹底した衛生管理が必要です。
具体的には、滅菌された器具や使い捨ての手術用品を使用することはもちろん、手術室自体も清潔な状態を保つ必要があります。
多くの歯科医院では、専用のオペ室や空気清浄機を備えた設備を導入し、空気中の細菌やウイルスを除去することで無菌的な環境を維持しています。
また、インプラント手術に使用する器具は、全て高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)で滅菌処理され、安全な状態で保管されているため、衛生管理を徹底するためには、高度な設備投資が必要です。
専用の滅菌機器やクリーンルームの維持にはコストがかかり、その分が治療費に反映されることになります。
保険診療が適用されないため
日本の公的医療保険制度では、基本的に日常生活に必要な最低限の機能回復を目的とした治療に対して保険が適用されます。
例えば、入れ歯やブリッジなどは保険適用となりますが、インプラント治療は審美性や機能性を高める自費診療に分類されるため、保険の対象外です。
インプラント治療にかかる、手術費用や材料費、診察料などの費用をすべて自己負担で支払う必要があります。
ただし、生まれつき顎の骨が大きく欠損している場合や、事故や病気で顎の骨を大部分失った場合などの特定の条件下では例外的に保険が適用されるケースもあります。
医療費控除の可能性
インプラント治療は保険適用外となるため高額な費用がかかりますが、一定の条件を満たすことで医療費控除を受けることができます。
ここでは、医療費控除の条件や、申請方法について解説します。
医療費控除の対象
医療費控除を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 支払った医療費が10万円以上、または総所得金額の5%を超えること(総所得金額が200万円未満の場合)
- 納税者本人、または生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費であること
- その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費であること(未払い分は翌年に申請)
- 自費診療も対象だが、美容目的や予防目的の治療は対象外
- 通院にかかった交通費(公共交通機関を利用した場合)も含まれる
以上の条件を満たしていれば、インプラント治療も医療費控除の対象となり、税負担の軽減が期待できます。
確定申告で申請
医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。以下の手順に従って申請を行いましょう。
- 必要書類の準備(医療費控除の明細書、源泉徴収票、交通費の記録、本人確認書類)
- 申請書類の作成
- 医療費控除額の計算
- 税務署へ提出(オンラインでの提出または郵送・持参)
- 還付金の受け取り
すべての医療費を記載した明細書を準備します。2017年以降、領収書の提出は不要ですが、領収書は5年間保管する義務があります。
通院にかかった公共交通機関の費用も控除対象となるため、メモしておきましょう。ただし、タクシーや自家用車のガソリン代は対象外のため注意が必要です。
税務署や国税庁のウェブサイトからダウンロードできる確定申告書に必要事項を記入します。オンラインで申告する場合は、国税庁の「e-Tax」システムを利用して入力・送信できます。
医療費控除額は、支払った医療費から保険金などで補填された金額を差し引き、さらに10万円(または所得が200万円未満の場合は総所得金額の5%)を引いた金額です。
申告1〜2ヶ月後、還付金は指定した銀行口座に振り込まれます。
インプラント治療費用負担を抑える方法
インプラント治療は高額な治療費がかかるため、費用負担を抑える方法を知りたいと考える方は少なくないでしょう。
ここでは、インプラント治療の費用を抑えるための具体的な方法について詳しく解説します。
複数の歯科医院の見積もりを比較
インプラント治療は自由診療であり、歯科医院によって費用が大きく異なることがあるため、複数の歯科医院で見積もりを比較すると良いでしょう。
治療費には、使用するインプラントの種類やメーカー、手術に必要な設備、医師の技術力などが反映されるため、同じ治療内容でも価格差が生じる場合があります。
見積もりを比較する際は、価格だけでなく、治療内容やアフターケアも含めて検討することが重要です。例えば、CTスキャンや骨造成の有無、使用するインプラントの品質などが異なる場合があります。
ただし、極端に安い見積もりには注意が必要で、安全性や治療の質が犠牲になる可能性もあるため、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。
また、見積もりを取る際には、インプラント本体の費用だけでなく、手術費用やメンテナンス費用なども含めた総額を確認し、自分に合った治療計画を立てることがポイントです。
インプラントブリッジの活用
複数本のインプラントを埋め込む場合、それぞれに高額な費用がかかります。
しかし、インプラントブリッジでは、少ない本数のインプラントを支柱として使用し、その上にブリッジを架けることで、必要なインプラントの本数を減らすことが可能です。
例えば、3本連続して歯を失った場合、すべてにインプラントを埋め込むのではなく、2本のインプラントで3本分の歯を支えることができます。
これにより、外科手術の回数や費用が削減でき、身体への負担も軽減されます。
ただし、インプラントブリッジは通常のブリッジと異なり、支えとなるインプラントや周囲の歯に均等な力がかかるように設計する必要があるため、高度な技術が求められます。
そのため、信頼できる歯科医師による適切な診断と治療計画が重要です。
分割払いやデンタルローンの利用
インプラント治療は高額なため、一度に全額を支払うのが難しい方も多いでしょう。そんな場合に有効な方法が、分割払いやデンタルローンの利用です。
多くの歯科医院では、クレジットカードやデンタルローンを利用して、治療費を分割で支払うことが可能です。
ただし、クレジットカード会社によっては金利手数料がかかるため、総額が高くなることもあるので、事前に確認しておきましょう。
デンタルローンは、歯科治療専用のローンで、通常のクレジットカードよりも金利が低めに設定されていることが多いです。
信販会社や金融機関が治療費を立て替え、患者さんは信販会社や金融機関へ月々の返済を行います。
最大で数年にわたる分割払いが可能で、月々の負担を大幅に軽減できるため、高額なインプラント治療でも無理なく支払えるようになりますが、審査基準を満たさない場合には利用できない場合もあります。
ローンを組む際には金利や返済期間などをしっかり確認し、自分の生活に合った返済計画を立てましょう。
インプラント治療費用に関する注意点は?
トラブルを避けるため、インプラント治療費用に関する注意点を理解しておきましょう。インプラント治療費用に関する注意点は以下の通りです。
- 追加費用が発生しないか
- 治療計画変更時の費用変動
- 支払方法と時期の確認
- 格安治療への注意
- 保証内容の確認
治療中に骨造成や仮歯の装着など、予期せぬ追加処置が必要になる場合があります。事前に見積もりに含まれている内容を確認し、追加費用の可能性についても歯科医に相談しておきましょう。
治療計画が変更されると、費用も変動することがあります。治療が進む中で計画が変わった際には、その都度費用について確認することが大切です。
支払い方法やタイミングは歯科医院によって異なります。クレジットカードやデンタルローンを利用できるか、また分割払いが可能かどうかを事前に確認しておきましょう。
低価格なインプラント治療は、材料や技術の質に問題がある可能性があります。価格だけで判断せず、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。
インプラントには保証制度を設けている歯科医院もあります。保証期間や範囲は医院ごとに異なるため、治療後のメンテナンスや万が一のトラブル時にどのような対応が受けられるかを事前に確認しておきましょう。
不明点は事前に質問をし、納得したうえで契約することが大切です。
まとめ
インプラント治療にかかる費用相場は、1本あたり約30万円から50万円程度が相場とされています。
保険適用外ですが、医療費控除やデンタルローン、インプラントブリッジを活用することで、費用負担を軽減できるでしょう。
小嶋デンタルクリニックでは、最新鋭の設備と高度な技術を駆使し、患者様一人ひとりに最適なインプラント治療を提供しています。
患者様との信頼関係を何よりも大切にし、治療について患者様にしっかりとご理解いただいた上で、治療を開始いたします。
インプラントをご検討の方は、ぜひ小嶋デンタルクリニックにご相談ください。