Blogブログ
歯医者の仮詰めがすぐ取れる理由は?取れた時の対処法や長持ちさせる方法を解説
2024年12月17日
虫歯治療などの際に、詰め物やかぶせ物が完成するまでの間、仮詰めで過ごすことがあります。
しかし、この仮詰めがすぐに取れてしまって困った経験がある方もいるでしょう。
仮詰めにはどのような役割があり、なぜすぐに取れてしまうのでしょうか。
この記事では仮詰めの役割やすぐ取れてしまう理由、長持ちさせる方法などを解説します。
現在仮詰めをしている方、仮詰めをする予定のある方はぜひ最後までご覧ください。
仮詰めの役割
仮詰めは仮蓋と呼ばれる場合もあり、歯を削って穴の開いた部分にレジンやセメント、天然ゴムなどの素材を充填して使用されます。
仮詰めの主な役割は、以下の4つです。
- 細菌侵入の阻止
- 刺激からの保護
- スペース確保
- 応急処置
虫歯や根管治療(根っこの治療)を行う場合、多くは一度の治療では終わらず2〜3週間程度の通院が必要になります。
歯を削った状態では神経や血管が露出しているため、細菌が入りやすく食事をした際に染みてしまうかもしれません。
仮詰めで削った部分をカバーすることで、細菌や刺激から神経や血管を守ってくれます。
また、削ったままで放置すると削った隙間を埋めるように隣の歯が寄ってきたり、上下の歯が移動してきたりする可能性があります。
そうするとせっかく型取りをして作った詰め物やかぶせ物が合わなくなることもあるでしょう。
こういった事態を防ぐため、仮詰めをして詰め物やかぶせ物のスペースを確保します。
それだけではなく、歯が大きく欠けていた場合に急患ですぐに治療できないときに仮詰めをして応急処置をすることも多いです。
歯医者の仮詰めがすぐ取れる理由
仮詰めにはさまざまな役割があり、治療を無事完了するために大切なものです。
しかし、その仮詰めがすぐに取れてしまって困った経験をした方もいるでしょう。
ここでは、なぜ仮詰めがすぐ取れてしまうのか5つの理由を解説します。
接着剤の劣化
仮詰めは詰め物と歯をセメントなどの接着剤で取り付けていますが、この接着剤が劣化して仮詰めが取れてしまいます。
この詰め物はあくまでも型取りをした詰め物やかぶせ物を装着するまでの「仮」です。
そのため、長期間使用することは想定しておらず、詰め物などが完成した際に綺麗に取れるように接着剤もそれほど強いものではありません。
歯科医院に行く時間が確保できなかったり、予約が取れなかったりして仮詰めを使用する期間が長くなると接着剤が劣化し取れてしまうことがあります。
歯ぎしりなどの癖
歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある場合、仮詰め部分に過度な力がかかってしまい、取れてしまう可能性があります。
特に当日はまだ仮詰めが馴染んでいない可能性が高く、歯ぎしりなどで簡単に取れてしまうこともあるでしょう。
自分に歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある場合、事前に歯科医院に伝えておきましょう。
マウスピース(ナイトガード)などを着用することで、歯ぎしりなどから仮詰めや削った歯を守れます。
ガムなど粘着性の高い食べ物を食べた
ガムやキャラメル、餅など粘着性の高い食べ物を食べた場合、仮詰めにくっついてしまい取れてしまうかもしれません。
仮詰めをしている期間は、粘着性の高い食べ物は避けた方がよいでしょう。
どうしても食べたい場合は、仮詰めをしている歯で咀嚼することは避けて食べるのがおすすめです。
歯磨きなどの使い方
日常的にごしごしと強い力で歯磨きをする癖があったり、フロスを使用していたりする場合は詰め物が取れてしまうかもしれません。
また、仮詰めを歯ブラシで強くこすることで、仮詰めの部分が削れてより取れやすくなったりかみ合わせが悪くなったりすることもあります。
仮詰めをしている場合でも歯磨きは必須ですが、仮詰めをしている部分は優しく磨くように心がけましょう。
仮詰めの精度・素材が悪かった
仮詰めの精度や素材が悪い場合はすぐに取れてしまうことがあります。
仮詰めの精度は歯科医師の腕に大きく左右される部分です。
仮詰めが歯の削った部分にフィットしていなかった場合、詰め物の間に食べ物のカスや水分が入り込みやすくなります。
隙間は歯磨きではケアできないため、虫歯になりやすく新たに削る必要が出てくるかもしれません。
そうなると、せっかく型取りをした詰め物やかぶせ物が合わず、新しく作り直しになります。
また、仮詰めに使用される素材はさまざまで、仮詰めをする歯が奥歯なのか前歯なのかなどで変わります。
日常生活や食事に気を付けて過ごしているにもかかわらず、何度も仮詰めが取れてしまう場合はより技術力のある歯科医師に相談してもよいでしょう。
歯医者の仮詰めが取れた時の対処法
もし、仮詰めが取れた場合、どうすればよいのでしょうか。
ここでは仮詰めが取れた時の対処法を2つ解説します。
できるだけ早く歯医者を受診する
仮詰めが取れたらできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
仮詰めは歯を削ることで露出した神経や血管などを守るためのものです。
その仮詰めが取れたということは、神経や血管が無防備な状態になっている状態であるため、歯科医院へ連絡をしましょう。
こういった場合には、メールやお問い合わせフォームよりも、すぐに返事を返してもらえる電話のほうがおすすめです。
電話で仮詰めが取れたことを伝えたうえで、一番近い日で受診できる日を相談しましょう。
一部が欠けただけなら様子見をしてもよい
仮詰めの一部が欠けて取れただけであれば、急いで歯科医院を受診する必要はなく、様子見をしても問題ありません。
しかし、飲食中に痛みなどを感じる場合は、神経や血管などが露出していることがあるため、一度歯科医院へ連絡してみましょう。
もし、歯科医院の次回予約が1週間以上離れている場合も連絡し、歯科医師の指示を聞きましょう。
欠けてしまった仮詰めは普段よりも外れやすい状態です。
いつも以上に食事内容や歯磨きについては注意して過ごすようにしましょう。
可能であれば詰め物は保管する
仮詰めが取れた場合、可能であれば仮詰めは水洗いして清潔なガーゼやティッシュなどに包み保管しましょう。
仮詰めが綺麗に取れている場合は、取れた仮詰めをそのまま使用できることがあります。
飲み込んでしまったり、どこにいったか分からなかったりする場合はその旨を歯科医院に伝えましょう。
仮詰めが取れた時にやってはいけない行動5つ
仮詰めが取れた場合、すぐに歯科医院を受診できれば問題ありませんが、受診するまでに数日かかることもあります。
そんな時に知っておいてほしい、仮詰めが取れた時にやってはいけない行動が5つあります。
仮詰めが取れてから受診するまでに時間がかかる場合は、ここで解説する5つの行動はできるだけ避けるようにしましょう。
詰め物を捨てる
先ほども触れましたが、仮詰めが綺麗に取れている場合、再接着できることがあります。
また、仮詰めに使用されている素材によっては自由診療で、高価なものを使用しているかもしれません。
再接着できれば、再度仮詰めを作る必要がなくなり、治療の軽減にもつながります。
そのため、取れた詰め物はできるだけ捨てずに歯科医院へ持参するようにしましょう。
自分で接着する
取れた仮詰めを市販の接着剤などで、自分で接着するのは絶対にやめてください。
市販の接着剤のなかには、人体に有害な物質が含まれており、体内に入ることで臓器にダメージを与えることがあります。
また、人体に無害な接着剤を使用した場合でも、仮詰めと歯の間に隙間があると虫歯や歯周病などになるリスクが高くなります。
仮詰めが取れた側に負担をかける
仮詰めが取れた歯で食事を噛むなどの負担はかけないようにしましょう。
仮詰めが取れた歯は削って穴が空いた状態であるため、通常の歯よりもかなりもろい状態です。
食事を噛むなどの負担をかけることで、痛みが生じたり歯にひびが入ってしまったり割れてしまう可能性が高いです。
歯が割れてしまうと詰め物やかぶせ物では対応できず、抜歯が必要になるかもしれません。
熱い・冷たい・刺激物などの飲食を気にする
仮詰めが取れた状態で、熱い・冷たい・刺激物などの飲食は避けましょう。
仮詰めが取れた歯は象牙質や神経がむき出しになっており、熱い・冷たい・刺激物などの影響で沁みて強い痛みを感じることがあります。
再度仮詰めをするまではできるだけ刺激は与えず、常温の飲食物を意識して選ぶようにしましょう。
仮詰めが取れても放置する
仮詰めが取れた場合、すぐに歯科医院を受診するのが基本です。
痛みがないからといって仮詰めが取れた状態を放置するのは避けてましょう。
仮詰めをしていると、詰め物と象牙質の間に第二象牙質と呼ばれる組織が形成されるため、しばらくは痛みがないことがあります。
しかし、仮詰めが取れて穴が開いた状態の歯で生活を続けると歯が割れてしまったり、虫歯への抵抗力が弱い象牙質が露出した状態になっていたりします。
象牙質は熱い・冷たい飲食物などの刺激で痛みが生じ、虫歯への抵抗力が弱いです。
虫歯への抵抗力が弱い象牙質は、虫歯になりやすいだけではなく虫歯の進行スピードも比較的早いです。
「仮詰めが取れたけど痛くないから」と放置するのはかなり危険なため、痛みがなくてもできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
歯医者の仮詰めを長持ちさせる方法
取れやすい仮詰めですが、日常生活で少し気を付ければ長持ちさせることができます。
最後に、歯科医院の仮詰めを長持ちさせる方法を4つ解説します。
仮詰め期間はぜひここで解説する方法に注意してみましょう。
硬い・粘着性の高い食べ物は避ける
仮詰めが取れる原因になるような硬い・粘着性の高い食べ物は避けるようにしましょう。
例えば、氷・ナッツ類・せんべい・ガム・キャラメルなどです。
他にも、歯科医院で食べること避けるように指示された物は食べないようにするのがおすすめです。
特に、仮詰めをしてから30分〜1時間程度は仮詰めの素材や接着剤がしっかり固まっていないため、普段以上に取れやすい状態です。
この時間は食事内容に注意するのではなく、食事自体を避けるようにしましょう。
咀嚼時などに負担をかけない
咀嚼時には仮詰めをした方を避けるなど、負担をかけないように注意が必要です。
硬い食べ物だけではなく、柔らかい食べ物でも咀嚼することで多少の負担がかかります。
また、仮詰めはあくまでも削って露出した象牙質や神経、血管などを保護するためのもので、食事をするための十分な強度はありません。
「柔らかい食べ物だから大丈夫」と安心するのではなく、仮詰めをしている期間はできるだけ負担をかけないように仮詰めをしていない側の歯で咀嚼するようにしましょう。
舌などで触らない
仮詰めをした部分はついつい気になって舌などで触ってしまうことが多いですが、取れてしまう可能性があるため、できるだけ触らないようにしましょう。
特に仮詰めをした直後は、治療後の違和感などもあり触ってしまいがちです。
しかし、仮詰めをした直後は素材や接着剤が完全に固まっていないことがあり、取れやすい状態です。
仮詰めを安定させるためにもできるだけ触らないようにしましょう。
また、指で触ると、隙間ができた際に指に付着した細菌による感染リスクも考えられます。
仮詰めが取れてしまうこと以外のトラブルを避けるためにも、仮詰めは触らないよう注意が必要です。
歯磨きの際には力を入れ過ぎない
仮詰めがすぐ取れてしまう理由でも触れましたが、歯磨き中は仮詰めが取れやすいタイミングです。
仮詰めは、削った歯の穴に素材を流し込んで硬化しただけの蓋であるため、完全にフィットしているわけではありません。
そのため、歯ブラシの毛先などがわずかな段差や隙間に入り込み、歯を磨く過程で仮詰めが外れてしまいます。
しかし、歯磨きをしなければ虫歯や口臭など別のトラブルが起こります。
仮詰めをしている周辺の歯を磨くときはいつもより優しく、軽めに磨くことを心がけましょう。
まとめ
この記事では仮詰めの役割やすぐ取れてしまう理由、長持ちさせる方法などを解説しました。
仮詰めには細菌侵入の阻止や刺激からの保護、スペース確保などの役割があり、型取りをした詰め物やかぶせ物が完成するまでの間、削った歯の穴を守ります。
この仮詰めがすぐ取れる理由としては、接着剤の劣化や歯ぎしりなどの癖などさまざま考えられます。
もし仮詰めが取れた場合は、できるだけ早く取れた仮詰めを持って歯科医院を受診しましょう。
場合によっては取れた詰め物を再接着できるかもしれません。
しかし、取れた仮詰めを自分で接着するのは思わぬトラブルを引き起こす可能性があるため絶対にやめてください。
小嶋デンタルクリニックではQOL向上・コミュニケーション・健康で輝く笑顔・自分が受けたい治療・オーダーメイド治療の5つの思いで治療をしています。
特に開院当初から数多くのインプラント治療に取り組み、歯科用CTの導入・インプラント測定機器・インプラントシステムの複数導入などを行っています。
他院でのインプラントのやり直しや、相談なども可能です。
相談・診療の予約は電話でもWebでもどちらからでも対応しています。
インプラント治療に興味がある、悩みがある方はお気軽に小嶋デンタルクリニックへご連絡ください。