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歯医者が怖い「歯科恐怖症」とは?歯科治療方法や選び方を解説
2024年12月20日
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大人でも「歯科医院が怖くて受診できない」といった方もいるでしょう。
もしかしたらそれは、潜在的に怖いと感じるのではなく「歯科恐怖症」かもしれません。
この記事では、歯科恐怖症とは何か、主な症状、安心な治療方法などについて解説します。
治療を受けたいけど歯科医院が怖くて行けない方、歯科恐怖症について詳しく知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
歯医者が怖い「歯科恐怖症」とは?
歯科恐怖症とは、歯科治療に関連した出来事に極端な不安や恐怖を感じることを指します。
ただ歯科医院が怖い・嫌いではなく、歯科医院や診療を完全に避けてしまい、歯科診療を受けられないほどの不安感や恐怖を抱いてしまいます。
WHO(世界保健機関)は歯科恐怖症を恐怖性不安障害の一種に分類しており、高所恐怖症や閉所恐怖症と同種です。
歯科恐怖症は「心の病気」としてとらえられることもありますが、歯科医院という特定のシチュエーションのみで症状が出る点がパニック障害とは異なります。
歯科恐怖症は軽度の方から気を失ってしまうほど重度の方までいるため、正確な患者数は把握されていませんが、全国に500万人(大体20人に1人)が当てはまるとされています。
決して珍しいものではなく割合としては女性に、特に20〜40代に多いです。
また、正確な患者数が把握できない理由として、「ただ歯科医院が怖いだけ」と思われてしまったり、悩みを打ち明けられなかったりする点も挙げられます。
歯科恐怖症の影響
歯科恐怖症の主な影響は、口腔内トラブルがあったとしても歯科医院の受診を避けてしまう点です。
「治療をしなければいけない」とわかっていても、なかなか歯科医院を受診できず虫歯や歯周病が進行してしまい、歯を失う原因になる可能性があります。
ある程度進行した虫歯や歯周病は自然治癒することはありません。
また、虫歯菌や歯周病菌が血管内に侵入すると、心筋梗塞や脳梗塞、誤嚥性肺炎など歯を失う以上に生命の危機に陥る可能性もあります。
歯科医院受診のためによく調べて恐怖心を軽減したり、この記事で解説する歯科恐怖症の方でも安心な歯科治療方法や歯科医院の選び方を参考にしたりするのもおすすめです。
歯科恐怖症の主な症状
歯科恐怖症には人によってさまざまな症状が現れます。
歯科恐怖症の主な症状は大きく心理的反応と身体的反応に分けられるため、それぞれの症状についてくわしく解説します。
心理的反応
心理的反応とは以下のようなものです。
- 強い不安によるパニック心理
- 過去体験を思い出すことによるフラッシュバック
- 嫌なこと(歯科治療)を避けるための逃避行動 など
人によって症状の出方は異なりますが、歯科医院の予約を入れるだけでパニックになってしまったり、予約を入れてもキャンセルしてしまったりします。
また、通院前夜に眠れなくなったり治療を避けようとさまざまな言いわけを考えたりする行動も心理的反応に該当します。
身体的反応
身体的反応とは以下のようなものです。
- 動悸や息切れ
- 吐き気
- 発汗や震え
- めまいや頭痛 など
上記のような症状はより強くストレスや歯科恐怖症の症状が出る方に多いです。
場合によっては強い恐怖反応により気を失ってしまうこともあります。
また、歯科恐怖症が直接の原因ではなかったとしても、口腔内に器具が入っただけで嘔吐反射が出てしまう場合もあります。
歯科恐怖症になってしまう理由
歯科恐怖症になってしまう理由は人それぞれです。
ここでは多くの人が歯科恐怖症になってしまう理由を5つ取り上げてくわしく解説します。
過去の痛みによるトラウマ
歯科恐怖症になってしまう理由で最も多いのが、過去の痛みによるトラウマです。
虫歯や歯周病などある程度症状が進行してしまうと、治療には痛みが伴うことが多いです。
麻酔の痛みや歯科器具で虫歯部分や神経を触られる痛みが強くトラウマになってしまうかもしれません。
また、「痛かったら手を上げてくださいね」といわれ、手を挙げたのに「あと少しですからね」と治療を続けられたこともトラウマになりやすいです。
特に子どもの頃の痛みに関するトラウマは強く残りやすい特徴があります。
子どもを歯科医院に連れて行く際には、トラウマにならないように初期段階で治療を行ったり痛みの伴わない治療を選んだり工夫するのがおすすめです。
医療ミス
一度歯科医院で医療ミスを経験してしまうと「またミスされてしまうのでは?」とトラウマになってしまうことがあります。
医療ミスによる歯科恐怖症は精神的外傷に当たります。
医師とのコミュニケーション不足
歯科医師とのコミュニケーション不足による不安感から歯科恐怖症になる場合があります。
虫歯や歯周病などがある程度進行してから受診すると、「もっと早く受診するように怒られるのでは?」と不安を抱えている方がいます。
そういった方は過去に以下のようなコミュニケーション不足があった経験を持つ方が多いです。
- 治療内容の説明をしっかりとしてもらえなかった
- 虫歯が多いことやセルフケアが不十分なことを強い口調で指摘された
- 飽きれたような態度対応された など
歯科治療は何をされているのかわかりにくいため治療内容の説明が不十分だった場合、予期しなかった痛みや感覚にびっくりすることも多いです。
それだけではなく、自分の不安な気持ちを受け取ってもらえなかったり無視されたりした経験から歯科医師や歯科医院に対しての恐怖心が増す原因になります。
心の病
歯科医院での治療に対してトラウマがなかったとしても、「何をされるかわからない」といった不安感から歯科恐怖症につながることがあります。
現代はストレス社会であり、不安感や恐怖心から精神疾患を発症しやすい環境です。
普段はそれほど強い不安感がなかったとしても、日常生活でストレスを抱えていたり心が疲れ切ったりしているとふとした瞬間に歯科恐怖症になるかもしれません。
嘔吐反射や音による恐怖
嘔吐反射や歯科医院特有のドリルの音・独特の匂い・環境に恐怖を抱き、歯科医院への不快感から歯科恐怖症になることがあります。
嘔吐反射とは、口腔内やのどへ異物が侵入することを防ぐために誰にでも起こる身体の防衛反応の1つです。
嘔吐反射の強弱には個人差があり、ストレスや不安、過去の不快な医療経験などで強まることがあります。
そのため、歯科器具が口腔内の手前であっても嘔吐反射が起こる可能性があります。
歯科恐怖症の方でも安心な歯科治療方法
歯科恐怖症の方であれば初期段階の虫歯や歯周病の治療を行った方が痛みを伴わないため、おすすめです。
ここでは歯科恐怖症の方でも安心して歯科治療を受ける方法を5つ解説します。
相性のよい歯医者を見つける
自分と相性のよい、安心できる歯科医院を見つけることで歯科治療が受けられる場合があります。
また、どうしても歯科恐怖症の症状が強く出てしまう場合、歯科恐怖症に理解のある歯科医院で治療を受けるのもおすすめです。
初回にカウンセリングを行い、恐怖心や不安感を和らげてから治療を開始し、こまめな声掛けをしてくれることも多いです。
最近は歯科医院内の様子を公式サイトで公開していることも多く、事前に内装などを知っておくことで自分に合う歯科医院を見つけやすいでしょう。
治療法について知る
子どもの頃や昔の治療や痛みにトラウマがある場合、現在の治療法について知ることで恐怖心が和らぐことがあります。
歯科治療の技術は日々進歩しており、昔と比べて痛みや負担の少ない治療法が登場している場合があります。
麻酔や治療の痛みが怖い場合は「麻酔しない・痛くない治療」を取り入れている歯科医院を探したり、現在主流となってる治療法について調べたりしてみましょう。
また、あらかじめ治療法を知っておくことで「何をされるかわからない恐怖」が和らぎます。
公式サイトなどを参考に、通いやすい歯科医院のなかで受けられそうな治療を取り入れている歯科医院を探してみましょう。
静脈内鎮静法
静脈内鎮静法での治療を選ぶ方法もあります。
静脈内鎮静法とは腕からの点滴により鎮静剤を投与、眠る一歩手前のようなうとうととした状態にするものです。
投与する鎮静剤の量によって、歯科医師との会話ができる程度から眠りに落ちたようなリラックス状態までコントロール可能です。
鎮静剤の量は歯科医院の方針や歯科恐怖症の度合いなどによって調整します。
歯科恐怖症の症状が強く出る方は、眠っているようなリラックス状態にすることで治療中の痛みや恐怖感、不快感などをほとんど感じません。
また、歯科医師と会話ができる程度でも、麻酔には健忘作用(入眠するまでの間に起きた出来事を覚えていない状態)があるため治療後の記憶は曖昧になります。
そのため、鎮静剤が切れたあとでも治療中の記憶が残りにくく、恐怖心や不安感の軽減が可能です。
全身麻酔
設備が整っている歯科医院であれば全身麻酔をおこなって歯科治療を受ける方法もあります。
全身麻酔は身体にメスを入れるような大掛かりな外科手術にも取り入れられる麻酔法で、意識が完全にない状態を保つことが可能です。
静脈内鎮静法と同様に麻酔を腕からの点滴により投与し、意識ない状態で歯科治療を進めます。
全身麻酔では患者さんの心拍数・血圧・酸素濃度などを常にモニタリングしながら、必要に応じて麻酔を追加します。
全身麻酔は難易度が高く、常にモニタリングが必要になるため、大学病院で治療が行われる場合が多いです。
大学病院並みの設備が整っている歯科医院であれば、全身麻酔での治療を行っている場合もあります。
短期集中治療
歯科恐怖症のような歯科医院が苦手な方のために、短期集中治療を取り入れている歯科医院もあります。
短期集中治療とは、1回の治療時間を最大6〜8時間確保して、虫歯や歯周病など口腔内のトラブルを一気に治療していく方法です。
1回あたりの治療時間は長いですが、通院回数と期間の大幅削減が可能です。
歯科恐怖症の方は複数回の通院に強いストレスを抱くかもしれませんが、通院回数が減少することでストレスを抱く機会も減らせるでしょう。
1回あたりの治療時間が長い場合、精神的・身体的な負担が大きくなりますが、静脈内鎮静法や全身麻酔を併用することであっという間に治療が完了します。
ただ、虫歯や歯周病の治療は本来保険診療が適用されますが、保険診療するルールとして1回あたりの治療時間が決められています。
短期集中治療では、保険診療のルールを守れないため虫歯や歯周病の治療であっても自費診療での治療になる点は注意が必要です。
歯科恐怖症でも安心な歯医者の選び方
歯科恐怖症でも安心して歯科治療を受けるためには安心な歯科医院の選び方を知っておく必要があります。
最後に歯科恐怖症でも安心な歯科医院の選び方を4つ解説します。
治療内容について丁寧に説明してくれる
どういった治療が必要なのかや治療計画、麻酔の有無や方法、通院回数などを丁寧に説明してくれる歯科医院がおすすめです。
丁寧に説明してもらえれば、何をされるかわからないという不安が解消され治療に対する恐怖心が和らぐでしょう。
信頼できる歯科医師がいるか
信頼できる歯科医師がいるかも、歯科医院を選ぶ際に大切なポイントです。
腕のよい歯科医師でも、信頼関係が築けず質問しにくかったり歯科医師に対する緊張からストレスが生じて歯科恐怖症が悪化したりすることがあります。
信頼できる歯科医師がいることで歯科医院や治療による不安感が軽減される可能性もあります。
初めのカウンセリングで「この歯科医師とは合わないかも」と思ったら違う歯科医院を探してもよいでしょう。
無痛治療や短期集中治療が可能
設備が整っており無痛治療や短期集中治療などの選択が可能な歯科医院を選びましょう。
麻酔を使用した無痛治療や短期集中治療は歯科医師の技術だけではなく、充実した最新設備が必要です。
公式サイトをチェックして麻酔に使用する針が極細の用意があるのか、無痛治療などの選択肢があるかは確認しておきましょう。
サイトだけではわからない場合は直接歯科医院に確認するのもおすすめです。
歯科恐怖外来のある歯医者
歯科恐怖外来のある歯科医院を選び、丁寧なカウンセリングを受けることで症状が緩和するかもしれません。
歯科恐怖症は多くの場合、カウンセリングにより改善・治癒するといわれています。
歯科恐怖外来では以下のような治療が受けられます。
メンタルカウンセリング | ・多くの方がカウンセリングで改善される
・トラウマと同じことにはならないと脳に理解してもらうように誘導する |
---|---|
シェーピング法 | ・歯科治療ができるように小さなステップに分ける
・子どもの歯科治療練習にも有効 |
系統的脱感作法 | ・リラックスした状態で怖い・不安な行動を具体的にイメージ
・リラクゼーション法を用いることも |
精神鎮静法 | ・薬剤を用いて治療できる状態にする
・静脈内鎮静法や麻酔治療が含まれる ・あくまでも治療方法であり歯科恐怖症が治るわけではない |
ただ、歯科恐怖外来を専門で行っている病院はほとんどなく、あくまでも治療の一環として取り入れている歯科医院があります。
気になる方は通える範囲であるのか一度調べてみましょう。
まとめ
この記事では、歯科恐怖症とは何か、主な症状、安心な治療方法などについて解説しました。
歯科恐怖症とは、歯科治療に関連した出来事に極端な不安や恐怖を感じることを指します。
歯科恐怖症でも安心な歯科医院の選び方は、丁寧に説明してくれるところや歯科恐怖外来のある歯科医院を選ぶようにしましょう。
小嶋デンタルクリニックではQOL向上・コミュニケーション・健康で輝く笑顔・自分が受けたい治療・オーダーメイド治療の5つの思いで治療をしています。
特に開院当初から数多くのインプラント治療に取り組み、歯科用CTの導入・インプラント測定機器・インプラントシステムの複数導入などを行っています。
抜歯後の治癒を待つ必要がない場合は5回の通院、約2〜3ヶ月でインプラント治療が完了します。
相談・診療の予約は電話でもWebでもどちらからでも対応可能です。
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