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インプラントオーバーデンチャーの費用相場|他の治療法との比較も紹介
2026年1月27日

多くの歯を失い、入れ歯を入れた方にとって「ずれやすい」「噛みにくい」「痛みがある」といった問題は、悩みの種なのではないでしょうか。
インプラントオーバーデンチャーは、こうした入れ歯の悩みを解消できる治療法の一つです。
この記事では、インプラントオーバーデンチャーの費用相場や他の治療法との比較、費用負担を軽減する方法などを解説します。
インプラントオーバーデンチャーの費用相場は片顎70万円〜300万円程度

インプラントオーバーデンチャーは、少数のインプラントで総入れ歯を固定する治療法です。
通常の総入れ歯の不便さを解消しつつ、すべての歯をインプラントにする場合よりも費用負担を抑えられます。
総額の費用相場は70〜300万円程度ですが、埋め込むインプラントの本数や、上顎か下顎かによって変わります。
基本的な仕組み
顎の骨に2〜6本程度のインプラントを埋め込み、そこに取り外し可能な入れ歯を固定します。
インプラントと入れ歯を連結するパーツ(アタッチメント)を介して固定するため、入れ歯の安定性が向上します。
通常の総入れ歯は口の中の粘膜だけで支えているため不安定になりがちです。
しかし、インプラントオーバーデンチャーにはインプラントという強固な支えがあるため、不安定さが改善されるようになっているのです。
費用は本数や上顎・下顎で変わる
インプラント1本あたりの費用が35〜50万円程度です。埋め込む本数が増えれば、それだけ費用も増加します。
上顎か下顎かで必要なインプラントの本数は変わります。
下顎は骨が厚くしっかりしているため、2〜3本程度で対応できることが多いです。
一方、上顎は骨が薄いため、4〜6本程度が必要になる傾向があります。
また、入れ歯を新たに作製する場合は入れ歯の素材によっても費用が変わります。
インプラントオーバーデンチャーでは、精密で耐久性の高い金属床義歯が一般的です。
そのほか、CTや精密検査の費用、手術時の麻酔費用、骨造成が必要な場合はその費用なども別途かかることがあります。
治療を受ける前に、総額でどのくらいの費用になるのかを確認しておくことが大切です。
【上顎の場合】費用と必要な本数
上顎は骨が薄く、上顎洞という空洞もあるため、インプラントを安定して埋め込める場所が限られます。
そのため、入れ歯をしっかり支えるには、複数のインプラントで力を分散させる必要があり、通常は4〜6本のインプラントを埋入します。
上顎の場合の費用相場は以下のとおりです。
- インプラント4本:約140〜200万円程度
- インプラント6本:約210〜300万円程度
さらに別途、専用の金属床入れ歯を作る場合は追加費用として20〜50万円程度が必要です。
骨の状態によっては2本でも対応できるケースもありますが、長期的な安定性を考えると、歯科医師が推奨する本数で治療を受けることをおすすめします。
【下顎の場合】費用と必要な本数
下顎は骨に厚みがあり硬いため、上顎よりも少ない本数のインプラントで対応できます。
とくに下顎の前歯部分は骨が厚く、インプラントを入れやすい部位です。
一般的には2本のインプラントでの治療が多く行われており、骨が痩せている場合は4本入れることもあります。
下顎の場合の費用相場は以下のとおりです。
- インプラント2本:約70〜100万円程度
- インプラント4本:約140〜200万円程度
下顎の場合も上顎と同じように、別途で金属床入れ歯を作る場合は追加費用として20〜50万円程度が必要です。
現在使っている入れ歯をそのまま使える場合もありますが、インプラントオーバーデンチャー用に作り直すことで、より精密で快適な入れ歯になります。
インプラントオーバーデンチャーの費用を他の治療法と比較

多くの歯を失った場合の治療法はいくつかあり、それぞれ費用や特徴が大きく異なります。
ここでは代表的な治療法とインプラントオーバーデンチャーの費用を比べていきます。
総入れ歯との費用比較
保険適用の総入れ歯は、3割負担で1万円〜1万5千円程度と比較的安く作れます。
ただし、材料や製作方法に制限があり、安定性や装着感の面で問題が生じやすいです。
保険適用外の高品質な総入れ歯は30〜50万円程度で製作できますが、粘膜だけで支える構造は変わらないため、安定性には限界があります。
一方でインプラントオーバーデンチャーは、片顎70〜300万円程度と高くなりますが、入れ歯の安定性や噛む力が向上します。
すべての歯をインプラントにする場合との費用比較
インプラントで上顎14本を治療する場合、総額では490〜700万円程度となり、上下顎ともに治療する場合は、980〜1,400万円程度と非常に高額になります。
すべての歯をインプラントにする場合のメリットは、天然歯に近い噛み心地と見た目を得られることです。
固定式なので取り外す必要がありません。
しかし、インプラントの本数が多いため、手術の負担も大きくなります。
これに対してインプラントオーバーデンチャーなら片顎70〜300万円程度と、すべての歯をインプラントにするよりも費用を抑えられます。
埋入するインプラントの本数が2〜6本程度と少ないため、手術の負担も軽減できるでしょう。
オールオン4・オールオン6との費用比較
オールオン4・6は、4本または6本のインプラントで固定式の人工歯を支える治療法です。
費用相場は片顎で200〜350万円程度となり、インプラントオーバーデンチャーと比べると、やや高額になることが多いです。
固定式のため取り外す必要がなく、天然歯に近い使用感が得られますが、清掃がやや難しくなります。
一方、インプラントオーバーデンチャーは取り外しができるため、清掃しやすく衛生的に保ちやすいです。
自分で入れ歯を外して洗浄できるため、日々のお手入れが簡単です。
将来介護が必要になった場合も、介助者がケアしやすいという利点があります。
インプラントオーバーデンチャーの費用負担を抑える方法

インプラントオーバーデンチャーは保険適用外の治療ですが、費用負担を軽減する方法があります。
費用の軽減につながる医療費控除制度
医療費控除は、年間に支払った医療費が10万円を超える場合に、確定申告を通じて一定額の所得控除を受けられる制度です。
インプラントオーバーデンチャーの治療費も対象となります。
控除額は「(医療費の合計-保険金等で補填される金額-10万円)×所得税率」で計算可能です。
例えば、課税所得400万円の方が治療費に100万円を使った場合、所得税で約18万円、住民税で約9万円、合計で約27万円の税金が還付・軽減される可能性があります。
医療費控除の対象には、治療費だけでなく、通院のための交通費(公共交通機関)も含められます。
治療費の領収書や交通費の記録などをしっかり保管しておきましょう。
医療費控除は過去5年間まで遡って申請できます。
家族の医療費も合算できるため、家族全体の医療費を合わせて計算すると、控除額が大きくなる可能性があります。
デンタルローンや分割払いの活用
多くの歯科医院では、デンタルローンや分割払いに対応しています。
デンタルローンは歯科治療専用のローンで、金利は年3%〜8%程度と、一般的なカードローンやクレジットカードの分割払い(年12%〜15%程度)と比べて低く設定されています。
例えば、100万円の治療費をデンタルローンで60回払い(5年)にした場合、金利5%として月々の支払額は約1万8千円程度です。
金利の総額は約8万円となり、総支払額は約108万円となります。
インプラントオーバーデンチャーのメリット

インプラントオーバーデンチャーには、通常の入れ歯やすべての歯をインプラントにする治療と比べて、さまざまなメリットがあります。
しっかり固定されて安定する
インプラントで入れ歯を固定するため、食事や会話の際にずれたり外れたりする心配がほとんどありません。
通常の総入れ歯は粘膜だけで支えるため、噛む力が加わると動いてしまいます。
インプラントオーバーデンチャーなら、アタッチメント部分でパチッと固定されるため、意図しない限りは外れにくくなっています。
硬いものでも噛みやすくなる
通常の総入れ歯では、噛む力が天然歯の3割程度まで低下するといわれています。
インプラントオーバーデンチャーなら、インプラントが入れ歯をしっかり支えるため、噛む力が向上します。
りんごやせんべい、ステーキなど、これまで避けていた食べ物も美味しく、楽しく食べやすくなるでしょう。
取り外して清潔に保てる
入れ歯部分を簡単に取り外せるため、清掃しやすく衛生的に保てます。
毎日、入れ歯を外して歯ブラシや入れ歯専用のブラシで洗浄することで、汚れや細菌をしっかり除去できます。
インプラント部分も直接清掃できるため、インプラント周囲炎のリスクを減らすことが可能です。
将来的に介護が必要になった場合も、介助者が入れ歯を外してお手入れできるため、口腔ケアがしやすくなります。
審美性が高く、会話もしやすい
金属のバネを必要としないため、自然な見た目を実現できます。
また、インプラントでしっかり固定されているため、入れ歯を小さく薄く作ることができ、装着時の違和感が少ないです。
入れ歯がしっかり固定されているため、会話中にずれる心配もなく、発音もしやすくなります。
顎の骨が少ない場合でも治療できる可能性がある
通常のインプラント治療では、各歯の位置に十分な骨量と骨の厚みが必要です。
インプラントオーバーデンチャーは、顎全体の中で骨が厚い部分を選んでインプラントの埋入ができます。
また、インプラントを斜めに埋入することで、骨の厚い部分を活用することも可能です。
他の歯科医院で「骨が少なくてインプラントは難しい」と言われた方でも、治療できる可能性があります。
インプラントオーバーデンチャーのデメリットとリスク

メリットの多い治療法ですが、デメリットやリスクも理解した上で検討することが大切です。
保険適用外のため費用がかかる
インプラントオーバーデンチャーは保険が適用されない治療のため、片顎70〜300万円程度の費用負担が必要です。
ただし、医療費控除やデンタルローンを活用することで、負担軽減のための工夫ができます。
また、保険の総入れ歯は定期的な調整や作り直しが必要になることが多いのに対し、インプラントオーバーデンチャーは適切なメンテナンスを行えば10〜20年以上使用できることもあります。
外科手術が必要になる
インプラントオーバーデンチャーでは、インプラントを埋め込むための外科手術が必要です。
手術時間は2〜4本程度であれば30分〜1時間程度で終わることが多いです。
手術後には、腫れや痛み、内出血などが出ることがありますが、通常は数日〜1週間程度で落ち着きます。
多くの歯科医院では、静脈内鎮静法や笑気麻酔などの麻酔方法を選べて、リラックスした状態で手術を受けられます。
残っている歯が虫歯になるリスクがある
部分入れ歯タイプの場合、残存歯と入れ歯の間に汚れがたまりやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
入れ歯を外した際に残存歯も丁寧にブラッシングし、デンタルフロスや歯間ブラシを使って清掃することが重要です。
また、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう。
通常は3〜6ヶ月に1回程度の頻度で受診することが推奨されます。
持病などによっては治療ができない場合がある
糖尿病や心疾患、脳血管疾患などの全身疾患がある方、骨粗鬆症の治療薬を服用されている方、喫煙習慣のある方、妊娠中の方などは、治療が制限される場合があります。
また、歯周病が進行している場合や、顎の骨の状態によっても治療できるかどうかが変わってきます。
まずは歯科医院で相談し、詳しい検査を受けましょう。
インプラントオーバーデンチャーの寿命はどのくらい?

インプラントオーバーデンチャーの寿命は、主にインプラント体の寿命によって左右されます。
適切なケアを行っていれば、インプラント体は10年以上、長い場合は20年以上使用することも可能です。
インプラント体が長持ちするかどうかは、以下の要因に影響されます。
- 日々の丁寧なブラッシングと定期的なメンテナンス
- 禁煙の継続
- 定期的な噛み合わせのチェックと調整
- 全身の健康管理
- 6ヶ月〜1年に1回程度の歯科医院での定期受診
ただし、入れ歯部分は、人工歯の摩耗や樹脂部分の劣化で、定期的な調整や修理が必要になる場合があります。
入れ歯部分は5〜10年程度で作り直すことが推奨されます。
まとめ
インプラントオーバーデンチャーは、通常の入れ歯の不便さを解消しながら、費用や身体的負担を抑えられる治療法です。
費用相場は片顎70〜300万円程度で、下顎なら2〜4本、上顎なら4〜6本のインプラントで治療できます。
医療費控除やデンタルローンを活用することで費用負担を軽減でき、適切なメンテナンスで20年以上使用することも可能です。
静岡石田インプラントセンターでは、豊富な臨床実績をもつ歯科医師が、CTなどの高度な設備を用いた精密な検査に基づき、一人ひとりに合わせた治療計画を提案します。
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