Disadvantagesインプラント治療に欠点はないの?
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保険適応ではない(保険診療では適応範囲が限られる)
インプラント治療は、従来の義歯やブリッジなどの治療法で見られるいくつかの問題を解決する優れた方法です。しかしながら、いくつかの注意点も存在し、その一つが費用の面です。
インプラント治療は保険が適用されないことが多く、そのため治療費が高額になる傾向があります。一般的には1本あたり数十万円のコストがかかります。これに対して、入れ歯やブリッジは健康保険の適用が可能なため、患者の費用負担は比較的少額で済むことが多く、数千円から治療を受けることができます。このように、保険適用の治療と比較すると、インプラント治療は経済的な負担が大きくなりやすい点がデメリットとされています。
当院では、インプラント治療にかかる費用や支払い方法について、患者様に十分な情報を提供できるよう、治療前のカウンセリングで詳しいご説明を行っています。
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手術が必要となる可能性もある
インプラント治療は非常に優れた歯科治療の選択肢ですが、すべての患者に適しているわけではありません。特に、糖尿病、心疾患、免疫疾患、骨粗しょう症などの持病がある方や、あごの骨が十分に強固でない方にとっては、インプラント治療が難しい、または不可能な場合もあります。また、インプラント治療には、あごの骨に金属を埋め込む外科手術が含まれるため、体力や健康状態が十分でない患者様にはリスクが伴います。
一方、入れ歯やブリッジなどの従来の治療法では、隣接する歯にかかる負担が増すため、将来的にそれらの歯を失うリスクが高まることもあります。これにより、追加の治療や費用が必要になるケースも少なくありません。そのため、長期的な視点で見ると、インプラント治療を選択することで経済的メリットがある場合もあるでしょう。
近年のインプラント治療は技術の進化により、手術の負担が軽減されつつあります。例えば、フラップレスオペと呼ばれる方法では、粘膜を切開せずにインプラントを埋め込むため、術後の回復がよりスムーズです。それでも骨に穴を開ける手術であるため、術後に腫れや痛みが生じる場合があります。また、重度の病気をお持ちの方には身体への負担を考慮し、インプラント治療は慎重に検討されることが望ましいでしょう。
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ブリッジや義歯と比べると治療期間が長期間になってしまう
ブリッジや義歯による治療は、歯の形を整え、型取りを行うことで、通常1~2週間で完成するため、短期間で治療が完了します。治療自体も1回あたり約30分と短時間で済むため、忙しい方や早めの治療を希望する患者様に適しています。
一方、インプラント治療は骨の状態や患者様の健康状態に左右されることが多く、通常2~6ヶ月の期間が必要です。インプラント治療に時間がかかる主な理由は、インプラント体があごの骨にしっかりと結合する「オッセオインテグレーション」と呼ばれるプロセスを待つためです。この結合期間を十分に確保しないと、インプラントが安定せず脱落する可能性や、インプラント周囲炎と呼ばれる炎症を引き起こすリスクが高まるため、慎重な治療が求められます。
インプラントは適切に管理することで長期間使用できる可能性があり、一生涯にわたる歯の健康をサポートする選択肢となり得ます。そのため、2~6ヶ月という治療期間をどのように捉えるかは、患者様の価値観やライフスタイルに依存しますが、将来を見据えた長期的な視点で検討することが重要です。
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手入れはしなくて良いのか?
インプラント治療は、一度治療が完了すれば終わりと思われがちですが、実際にはその後のメンテナンスがとても重要です。インプラント自体は虫歯になることはありませんが、「インプラント周囲炎」と呼ばれる歯周病に似た炎症が起こるリスクがあります。この炎症が進行すると、インプラントが緩んでしまい、最悪の場合は脱落する可能性もあります。
また、インプラントの被せ物は天然の歯とは異なり、特別なケアが必要です。正しい歯磨き方法や専用のケア用品を使うことで、インプラントの寿命を延ばし、長く快適に使うことができます。
高額なインプラント治療は、長期的な投資といえます。せっかくの治療が数年で無駄になることを避けるためにも、日々のケアが欠かせません。インプラントが失敗する主な原因として、「インプラント周囲炎」や「噛み合わせの問題」が挙げられます。これらを予防するために、定期的な歯科医院でのメンテナンスと日常の適切なケアを徹底することが大切です。
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インプラントは、歯周病にかかりやすい?
インプラントは、天然の歯に比べて歯周病にかかりやすい特性があります。これは、天然の歯には「歯根膜」という組織が根元を覆い、歯周病菌の侵入を防ぐバリアとして機能しているためです。一方で、インプラントにはこの歯根膜がないため、細菌が侵入しやすくなり、より注意深いケアが必要になります。
このバリアがない分、インプラント周囲のケアを怠ると、歯周病が進行しやすくなります。進行するとあごの骨が溶け始め、インプラントを支える土台が弱くなり、最悪の場合インプラントが脱落することもあります。特に、過去に歯周病を経験した方は再発しやすいため、歯周病が原因で失った場所にインプラントを埋める際は、特に慎重な対応が必要です。
インプラントの長期的な安定を保つためには、定期的なメンテナンスと日常的な丁寧なケアが欠かせません。正しいケアを続けることで、インプラントの寿命を延ばし、再び歯周病にかからないようにすることが重要です。
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インプラント施術後は、歯磨きをしなくてもいい?
「インプラントは虫歯にならないから歯磨きが不要」と考えている方もいるかもしれませんが、これは大きな誤解です。確かにインプラントは虫歯になることはありませんが、歯周病にはかかるリスクがあり、歯磨きやメンテナンスを怠ると危険です。
歯周病の原因は、歯に付着したプラーク(歯垢)に含まれる歯周病菌であり、これがインプラント周囲にたまると炎症が発生し、歯周病が進行します。インプラントも天然の歯と同様に歯周病の影響を受け、悪化すると支える骨が溶けてしまうこともあります。
インプラントを長く健康に保つためには、毎日の丁寧な歯磨きと定期的な歯科医院でのメンテナンスが不可欠です。歯科医院でのメンテナンスでは、専門的なクリーニングやチェックが行われ、歯周病の予防対策がしっかりと施されます。特に、歯周病の治療と予防に重点を置いている歯科医院では、インプラント治療後も徹底したケアを受けることができるため、インプラントを長期的に維持したい方には安心です。