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インプラントの長さ

2020年9月8日

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

インプラント治療において、どれぐらいの長さのインプラントを入れるのですか?と質問されることがよくあります。

 

インプラントの長さは様々あります。
一般的には6mmから15mmぐらいでしょうか。

 

ザイゴマインプラントと呼ばれる頬骨に入れるインプラントなどの場合は19mmあると言われます。

 

私は行ったことはないのですが、何回かザイゴマインプラントの見学を行った時に、衝撃を受けたのを覚えています・・・

 

以前は、インプラントの長さが長いほど、生存率が高まるのではないかという時代がありました。

 

現代においては、長さがインプラントの生存率に差がないというデータが出てきており、インプラント学会においても長さは重要視しなくなっている傾向にあります。

 

一つは物性の向上です。
インプラントの表面性状が変わってきたのも一つの要因となってきています。
インプラントの長さに生存率の差がないというデータはインプラントの適応範囲をかなり拡大します。

 

骨が少ない患者さん、神経までの距離が短い患者さん、そして短ければ短いほど、体に対する負担は少なく、術後の腫脹などのリスクもかなり低減できます。

 

ただ、長さは短くてよくても直径いわゆる幅は、インプラントを打つ部位の最終的な歯の大きさに合わせて決定した方が良いと考えます。

 

たまに臼歯部においてすごく細いインプラントを見かけることがありますが、インプラントのフィクスチャーと土台であるアバットメントの接合部で破折してしまっていることがあります。

 

また歯の大きさに対してインプラントが細いと清掃スペースも増えてしまい、結果インプラント周囲炎のリスクが高まります。

 

よって、インプラントの長さはそこまで生存率に影響はないが、径に関しては生存率に関与してくるのではないかと考えます。

 

このインプラントは8mmの長さのインプラントです。

 

奥にかけて口を開ける量が狭くなってきますので、物理的に長いインプラントを入れる時に、斜めに入ってしまう可能性が高まりますのでより確実な形で設計しました。

 

左下他院でインプラントまで行っている方。
被せ物する前の段階でインプラントが動揺してきたと訴えて来院されました。

 

また3本が近接した形で埋入されています。
どのような意図でこのような形になったのかは確実なことはわかりませんが、この設計だと、奥はどうするんでしょうか。

 

また奥にかけて細いインプラント、また浅い埋入となっています。

 

結果、真ん中のインプラントは抜歯せざるを得ない状態でした。

 

このように、インプラントの生存率において大切なことは、長さではなく、「適切な部位に、適切な径のインプラントを適切な術式で行う」であり、とりあえず長いの打てばいいという安易な考えは長期的な予後が悪い傾向にあります。

 

必ず、インプラント治療を行う前に、CT撮影を基とした治療計画を立案し、検討していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コジデン院長ブログ(様々なことをゆる〜く書いています)
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