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糖尿病とインプラント治療

2020年12月2日

 

こんにちは、静岡市駿河区にある歯科医院、小嶋デンタルクリニックです。

 

先日糖尿病を患っている患者様にインプラント治療についての質問を受けましたので今日はその解説をします。

 

糖尿病は血液中の糖(血糖)が増えてしまう病気です。
糖は身体のエネルギー源であり主に食事から摂取します。その糖を効率よく使用するためにはインスリンというホルモンが必要となります。

 

しかし過剰な糖の摂取や、糖を分解するインスリンの分泌量が少ないと、細胞に取り込まれず血液中であふれてしまいます。

 

血糖の濃度が高いままで放置されると様々な障害が出てしまいます。

 

糖尿病の患者さんは細胞のエネルギー不足によって血管が弱くなる、組織が酸欠状態になる、細菌と戦う白血球(好中球)の機能が悪くなる、骨の代謝が悪くなる、という状態になります。

 

簡単にいうと、外傷や傷に対する治癒能力が著しく悪い傾向があるということです。

 

ただ基本的に糖尿病と罹患されていても内科的な治療、食事摂取制限などが行われ血糖値が良好にコントロールされている場合、歯科治療においてはほとんど問題がありません。

 

しかし、コントロールが悪い場合は細菌感染のリスクが高く、治癒が悪い傾向です。

 

本題に戻り、ではインプラントを行うとなった時はどうでしょうか。

 

インプラントは骨の中にネジを入れる治療で、骨のフィクスチャーと呼ばれるインプラント体が骨と結合することで長期的に安定をもたらすことができます。

 

また周辺歯肉もしっかりと治り、ポケットがない状態ではないとインプラント周囲炎のリスクが向上します。

 

そのため糖尿病に罹患し、血糖状態が不良の場合は、骨の代謝が悪い可能性が非常に高く、インプラント体の早期脱落を招く可能性が高いです。
これは世界的にデータが集積されていることです。

 

インプラント体が既に入ってから糖尿病に罹患しても、そこまで影響はありません。

 

もちろん感染リスクは高いですのでしっかりとしたケアが求められますが、最も問題となるのが糖尿病に罹患している方へのインプラント埋入です。要は治りの過程で糖尿病が邪魔をするということですね。

 

先ほども言ったように、糖尿病の患者さんでもインプラント治療を受けることはできます。

 

しかし、このようなリスクがあることとインプラントオペを実施するためには、血糖値のコントロールが必須であるということです。
具体的な数値としては

 

・空腹時の血糖値140mg/dl以下(食後200mg/dl以下)
・HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)6.9%以下

となります。

 

ちなみに最も難しいのが、糖尿病と診断を受けていないパターンです。

 

検診などに行っておらず、糖尿病の自覚がない方は危険です。歯周病も高度に罹患していることも多いためその場合は、先に内科などで検査をお願いしています。

 

長期的に使う歯だからこそ、しっかりと全身状態含め整えるようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

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