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何歳までインプラント治療は可能? ─ 80代の患者さんの手術を終えて

2025年11月25日

本日は 80歳代の患者さんのインプラント手術を行いました。処置は予定通り安全に終了し、経過も良好です。
さて、診療の中でよくいただく質問があります。
「インプラント治療って、何歳までできるんですか?」
結論から申し上げると──
年齢だけでは上限にはなりません。

■ 年齢は“絶対条件”ではない

公益社団法人 日本口腔インプラント学会(JAID)や国際的ガイドラインでも明確に示されているのは、
インプラントの可否は年齢ではなく、全身状態・服薬状況・口腔衛生状態で判断する
という原則です。
* 高血圧・糖尿病などが適切にコントロールされているか
* 骨粗鬆症薬(ビスフォスフォネート等)の服用状況
* 心血管疾患や脳血管疾患の既往
* 日常生活動作(ADL)、フレイルの有無
* 口腔衛生の状態、歯周病リスク
これらが問題なければ、80代でも安全にインプラント治療は可能です。
当院でも70代・80代の方のインプラント成功率は若年層と大きく変わりません。

■ 人生100年時代──80歳のこれから20年をどう生きるか

平均寿命が伸びた今、80代といえど
100歳までの残り20年が現実的な時間軸となっています。
この20年、
* 入れ歯が使いにくい
* 噛めないことで食事量が減る
* 栄養不足 → 筋力低下 → フレイル
* 発音の悪化や人との会話の減少
といった連鎖は、生活の質(QOL)に大きな影響を与えます。
一方、
**しっかり噛める状態を保てることは“長く、自立して生きる力”**になります。
インプラント治療は、ただの歯科治療ではなく
“その人の未来の20年に投資する医療”と言っても過言ではありません。

■ 高齢でもインプラントが「向いている」ケース

実際には、下記のような患者さんでは 入れ歯よりインプラントが適している場合が多いです。
* 入れ歯が痛い・外れやすくて使えない
* 前歯が弱ってきて、義歯の支えが作れない
* 食事量が落ちてきて心配
* 会話しづらくなっている
* 将来的に介護される側にならないよう体力を守りたい
“しっかり噛める”ことが、健康寿命の延伸に直結することは多くの研究で報告されています。

■ 高齢者インプラント治療の安全性

口腔インプラント学会の指針では、
適切なリスク評価と対策を行えば、高齢者でもインプラント治療は十分に安全に実施できるとされています。
当院では以下を徹底しています。
* CT撮影による骨量・神経位置の精密評価
* 内科主治医との連携
* 骨粗鬆症薬の休薬の可否を医科と相談
* 静脈内鎮静麻酔の併用
* 術後の感染管理と定期メインテナンス
* 嚥下機能・フレイルリスクの確認
80代だから難しいのではなく、
80代だからこそ慎重に、丁寧に行う──それが当院のスタンスです。

■ 結論:

インプラント治療に「年齢の上限」はありません。
大切なのは、年齢ではなく健康状態と希望する生活です。
年齢的にどうだろう…と迷われている方がいらっしゃれば、
まずはお気軽にご相談ください。
未来の20年を、少しでも豊かにするために。
しっかりとした診査と話し合いのもと、最適な治療を一緒に選んでいきましょう。