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サイナスリフトとは?上顎インプラントで骨が足りないときに行う骨造成治療をわかりやすく解説

2026年1月10日

本日は、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)について解説します。
インプラント治療は「インプラントを入れる」ことが注目されがちですが、
本質はその前段階にあります。
それは、
インプラントを長期的に支えられるだけの骨があるかどうか。
特に上顎の奥歯(上顎臼歯部)では、骨が不足しているケースが少なくなく、
その際に選択される代表的な治療がサイナスリフトです。

サイナスリフト(上顎洞底挙上術)とは?
サイナスリフトとは、
上顎の奥歯のさらに上に存在する空洞、上顎洞(じょうがくどう)の底を持ち上げ、
そのスペースに骨補填材などを入れることで、
インプラントを支えられる骨の厚みを確保する治療です。
上顎洞は副鼻腔の一部で、空気が入っている構造のため、
もともと骨が薄くなりやすい部位です。
特に以下のような方では、
インプラントを入れたい位置の骨が不足していることがあります。
* 歯を失ってから時間が経っている
* もともと上顎洞が大きい
* 歯周病などで骨吸収が進んでいる
このような場合、
骨造成を行わずに無理にインプラントを入れることは推奨されません。

どんなときに必要?サイナスリフトの適応
サイナスリフトが検討される主なケースは以下です。
* 上顎の奥歯にインプラントを希望しているが、骨の高さが足りない
* CTで見ると、インプラント予定部位が上顎洞に近接している
* 安全な長さ・位置でインプラントを入れると上顎洞に触れる可能性がある
* 骨量不足により、インプラントの長期安定性が不安な場合
当院では、CTによる三次元的評価を行い、
骨の厚み・上顎洞の形態・必要な骨造成量を総合的に判断します。

サイナスリフトの術式分類
クレスタルアプローチとラテラルアプローチ
サイナスリフトは一つの治療名であり、
その中にアプローチ方法の違いによる術式の分類があります。
混同されがちですが、
いわゆる「ソケットリフト」は、サイナスリフトの一部です。

① クレスタルアプローチ
インプラントを埋入する方向(歯があった位置)からアプローチし、
上顎洞の底を下から持ち上げる方法です。
一般に「ソケットリフト」と呼ばれる術式がこれに該当します。
特徴
* 骨の不足が軽度なケースに適応
* インプラントと同時に行われることが多い
* 侵襲が比較的少ない
ただし、上顎洞底を直接目視できないため、
適応の見極めが非常に重要になります。

② ラテラルアプローチ
上顎の側面の骨に小さな窓を作り、
そこから上顎洞内の粘膜(シュナイダー膜)を直接確認しながら持ち上げる術式です。
一般的に「サイナスリフト」と聞いてイメージされる方法はこちらです。
特徴
* 骨の高さが大きく不足しているケースに適応
* 上顎洞粘膜を直視下で操作できる
* 十分な骨造成量を確保できる

サイナスリフトはどのような処置?治療の流れ
治療の流れを簡単に説明します。
1. CTで骨量と上顎洞の位置関係を確認
2. 上顎洞粘膜を損傷しないよう、慎重に剥離・挙上
3. 挙上したスペースに骨補填材を填入
4. 状況により
   * インプラントを同時に埋入
   * 骨造成後、数か月待ってからインプラント埋入
サイナスリフトで最も重要なのは、
上顎洞粘膜を破らない丁寧な操作です。
上顎洞周囲の骨は非常に薄いため、
精度と経験が求められる処置になります。

治癒期間と考え方
骨造成後は、
骨が安定するまで数か月単位の治癒期間が必要になります。
「早く噛めるようになりたい」というお気持ちは当然ですが、
インプラント治療は長く安全に使えることが最優先です。
必要な工程を省かず行うことが、
結果的にトラブルの少ない、長持ちする治療につながります。

「サイナスリフト(ラテラルアプローチ)後。上顎奥歯部のインプラントに必要な骨量を確保するため、上顎洞粘膜を丁寧に挙上し骨造成を行っています。」

上顎インプラントで「骨が足りない」と言われた方へ
「骨が薄いから難しいと言われた」
「上顎の奥歯は無理かもしれないと言われた」
そういった場合でも、
サイナスリフトという選択肢によって治療が可能になるケースがあります。
当院では、
* CTによる精密診断
* 適応の見極め
* リスク・期間・費用の明確な説明
を大切にし、納得いただいたうえで治療を進めています。
上顎奥歯のインプラントでお悩みの方は、
お気軽にご相談ください。