Blogブログ
インプラントの構造|3つのパーツとそれぞれの種類と特徴の違いを解説
2026年1月27日

インプラント治療を検討されていて、インプラントがどんな構造になっているのか気になっているのではないでしょうか。
インプラントは基本的に3つのパーツから構成されており、それぞれが重要な役割を担っています。
この記事では、インプラントの基本構造である3つのパーツに加えて、それぞれの役割や種類、特徴を詳しく解説します。
インプラントとは

インプラント治療とは、歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着することで、失った歯の機能と見た目を回復する治療法です。
大きな特徴は、天然歯に近い噛み心地と審美性を実現できる点です。
顎の骨に直接固定されることで、自分の歯のように使えるようになります。
入れ歯のように取り外しの必要がなく、ブリッジのように健康な隣の歯を削る必要もありません。
インプラントの基本的な構造

インプラントは、主に3つのパーツで構成されています。
顎の骨に埋め込まれる『インプラント体』、その上に取り付けられる『アバットメント』、そして実際に見える部分となる『上部構造』です。
各パーツは口内の状態に合わせて組み合わされます。
インプラント体:歯根の役割を担う
インプラント体は、人工歯根やフィクスチャーとも呼ばれ、顎の骨に埋め込まれる部分です。
天然歯における歯根で、インプラント全体の土台となります。
形状としては、らせん状の溝があるスクリュータイプが一般的です。
ネジ状の形状により骨との接触面積が増え、顎の骨としっかり結合できるようになっています。
埋め込む部位や骨の状態に応じて適切なものが選ばれます。
上部構造:歯の見た目と機能を担う人工歯
上部構造は、インプラント治療で最後に装着される人工歯の部分です。
実際に食べ物を噛む機能を果たし、口を開けたときに見える部分でもあるため、審美性と機能性の両方が求められます。
上部構造の材質には、ジルコニアセラミック、オールセラミック、ハイブリッドセラミックなどがあります。
セラミック系の素材は天然歯に近い色と透明感を再現できるため、周りの歯と調和した自然な見た目にすることが可能です。
アバットメント:インプラント体と上部構造をつなぐ土台
アバットメントは、インプラント体と上部構造を連結するためのパーツです。
インプラント体の上部に取り付けられ、その上に上部構造が装着されます。
アバットメントの重要な役割の一つは、高さや角度の調整です。
歯肉の厚さや噛み合わせの状態、周りの歯との調和を考慮したうえで、適切な形状のアバットメントが選ばれます。
アバットメントとインプラント体が一体化したワンピースタイプもありますが、現在主流となっているのは分離したツーピースタイプです。
インプラント体の種類について

インプラント体には、さまざまな種類があります。
構造、形状、材質、表面処理の違いにより、それぞれ異なる特性をもっています。
構造:ワンピースタイプとツーピースタイプ
インプラントの構造は、大きく分けてワンピースタイプとツーピースタイプの2種類があります。
ワンピースタイプは、インプラント体とアバットメントが一体化した構造です。
手術回数が少なく済み、治療期間を短縮できますが、問題が生じた場合はインプラント体全体の取り外しが必要になります。
ツーピースタイプは、インプラント体とアバットメントが分かれている構造のタイプです。
アバットメントを状態に合わせて選ぶことができ、トラブルが起きた時にもアバットメントだけを交換することができます。
形状:スクリュータイプとシリンダータイプ
インプラント体の形状には、スクリュータイプとシリンダータイプがあります。
スクリュータイプは、ネジのような螺旋状の溝が刻まれた形状です。
骨との接触面積を増やすことで埋め込んだ直後から安定しやすく、骨との結合を促す特徴があります。
シリンダータイプは、円筒形の形状をしたインプラント体です。
スクリュータイプと比べて初期固定が得にくいため、現在では使われる頻度が少なくなっています。
材質:チタンやチタン合金など
インプラント体の材質は、主にチタンやチタン合金です。
チタンやチタン合金は生体親和性に優れた金属で、人体に埋め込んでもアレルギー反応を起こしにくい特性があります。
これらの素材は骨と直接結合する『オッセオインテグレーション』という現象が起こるため、インプラント治療の土台としてよく使われています。
金属アレルギーの心配がある方は、事前に歯科医師に相談しましょう。
表面処理:骨との結合を促進するための加工
インプラント体の表面には、骨との結合を促し、治療の成功率を高めるためのさまざまな処理が施されています。
主な表面処理の方法は以下のとおりです。
- 機械研磨:表面をなめらかに仕上げる処理
- 酸エッチング:酸を使って表面に細かい凹凸を作る処理
- サンドブラスト:硬い粒子を噴射して表面を粗くし、骨との接着力を上げる処理
- ハイドロキシアパタイトコーティング:骨の成分の一つをコーティングする処理
現在では、サンドブラストと酸エッチングを組み合わせた処理が多く採用されています。
この方法により、インプラント体と骨の結合がより速く、強固に行われるようになりました。
アバットメントの種類について

アバットメントは、インプラント体と上部構造を連結するパーツです。
材質や連結機構によってさまざまな種類があり、口内の状況や治療方針に応じて使い分けられます。
材質:チタン、ジルコニアなど
アバットメントの材質には、主にチタン、チタン合金、ジルコニアなどがあります。
チタンやチタン合金製のアバットメントは、強度が高く耐久性に優れています。
基本的にインプラント体と同じ材質で作られ、適合性も良好です。
ジルコニア製のアバットメントは、審美性に優れた選択肢です。白い素材のため、前歯など見た目の良さが求められる歯に適しています。
金属を含まないため、金属アレルギーの心配がなく、より自然な見た目を実現できます。
連結機構:インターナルとエクスターナル
アバットメントとインプラント体の連結方法には、インターナルコネクション(内部連結)とエクスターナルコネクション(外部連結)の2種類があります。
インターナルコネクションは、アバットメントがインプラント体の内側にはまり込む構造です。
接続部分が外に飛び出さないため、見た目がすっきりしています。
エクスターナルコネクションは、インプラント体の外で接続するタイプです。現在では使われる頻度が少なくなっています。
上部構造の種類について

上部構造は、インプラント治療で最後に装着される人工歯の部分です。
材質や固定方法によってさまざまな選択肢があり、ニーズに応じて最適なものが選ばれます。
材質:ジルコニア、セラミック、ハイブリッドセラミック
上部構造の材質には、主にジルコニア、セラミック、ハイブリッドセラミックなどがあります。
それぞれに特徴があり、装着する部位や要望に応じて選択されます。
ジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれる素材で、耐久性と審美性を兼ね備えています。
硬いものを噛んでも壊れにくく、奥歯など強い力がかかる部位に適しています。
セラミックは、天然歯に近い透明感と色調を再現できる素材です。
とくに前歯など審美性が重要な部位に適していますが、ジルコニアと比較すると、やや強度で劣る面があります。
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジン(プラスチック)を混ぜ合わせた素材です。
他のセラミック系素材と比較して費用を抑えられますが、長く使うと変色や摩耗が生じやすい傾向にあります。
固定方法:スクリュー固定とセメント固定
上部構造をアバットメントに固定する方法には、スクリュー固定とセメント固定の2種類があります。
スクリュー固定は、上部構造の噛む面にある穴から、ネジでアバットメントに固定する方法です。
修理やメインテナンスがしやすく、余分なセメントが残る心配もありません。
ただし、ネジ穴を樹脂で埋めるため、審美性の面でやや制限が生じる場合があります。
セメント固定は、歯科用接着剤で上部構造とアバットメントを固定する方法です。
噛む面に穴が開いていないため、審美性に優れ、噛み合わせの調整も行いやすいメリットがあります。
インプラントの構造と天然歯の構造の違い

インプラントと天然歯は、見た目や機能が似ていても、構造には大きな違いがあります。
インプラントは歯根膜がなく骨と直接結合している
インプラント体と周りの骨は、隙間なく直接結合しています。
この状態をオッセオインテグレーションと呼び、インプラントが機能するうえで重要な現象です。
また、インプラントには噛む力を感知するセンサーがなく、天然歯と比べて感度が劣ります。
そのため、インプラント治療後は、噛み合わせに十分な注意を払う必要があります。
天然歯は歯根膜がクッションの役割を果たしている
天然歯の歯根の周りには、歯根膜と呼ばれる組織があります。
歯根膜は、噛んだときにクッションの役割を果たし、歯がわずかに沈み込むことで衝撃を吸収しています。
さらに、歯根膜には噛んだときの圧力を感知する受容器があり、無意識に噛む力を適切にコントロールできているのです。
また、インプラント周りの粘膜は、天然歯の歯肉とも異なっています。
天然歯の場合、歯と歯肉がしっかりと結合し、細菌が入り込みにくい構造になっています。
これに対して、インプラント周りの歯肉には防御機能がないため細菌が侵入しやすい傾向にあり、インプラントを長く使うためには、丁寧な口腔ケアが不可欠となります。
インプラントの手術方法

インプラント手術の方法には、大きく分けて1回法と2回法の2種類があります。
骨の状態や治療部位、全身の健康状態などを考慮したうえで、適した方法が選択されます。
1回法
1回法は、1度の手術でインプラント体とアバットメントの両方を同時に装着する方法です。
まず局所麻酔を施してから、歯肉にメスを入れ、ドリルで穴を開けてインプラント体を埋め込みます。
ワンピースタイプを使う場合、インプラント体とアバットメントが元々一体型になっているため、そのまま埋め込みます。
一方、ツーピースインプラントの場合は、インプラント体を埋め込んだ後で、アバットメントの装着が必要です。
1回法のメリットは、手術回数が少なく、身体的な負担を軽減できることです。
ただし、骨の量が十分にあり、硬い場合に限られます。
2回法
2回法は、手術を2回に分けて行う方法です。
1回目の手術では、インプラント体を埋め込んだ後、インプラント体の上部にカバーを付けて歯肉で完全に覆います。
インプラント体と骨が結合するまで、3〜6ヶ月程度の期間が必要です。
2回目の手術では、カバーの上の歯肉を切開してカバーを除去し、仮のアバットメントを連結します。
粘膜の治癒を2〜3週間待った後、最終的に使うアバットメントへ付け替えます。
2回法は、骨の量が少なく骨移植が必要な場合や、骨が柔らかい場合に選択されることが多いです。
インプラント治療の基本的な流れ

インプラント治療は、次のような流れで実施されます。
手順1:カウンセリングと精密検査
口内の状態を調べ、インプラント治療が適しているかを判断します。
レントゲンやCTで、顎の骨の量や質、神経の位置などを詳しく調べ、全身の健康状態も確認します。
糖尿病や骨粗鬆症などの疾患がある場合、治療に影響を与える可能性があり、歯周病がある場合は先に治療が必要です。
検査結果が出たら治療計画を立て、インプラントの種類や本数、手術方法、治療期間、費用などを説明し、納得いただいたうえで治療を開始します。
手順2:インプラント体を埋め込む一次手術
局所麻酔後、歯肉を切開してインプラント体を埋め込み、インプラント体の上部にカバーを取り付けて歯肉で覆います。一次手術では、希望に応じて静脈麻酔も可能です。
手術時間は、埋め込む本数にもよりますが、2〜3本を埋入するケースではおよそ40〜50分の時間が必要です。
手術後は、腫れや痛みが生じることがありますが、通常は数日で落ち着きます。
インプラント体と骨が結合するまで、3~6ヶ月の治癒期間を置きます。
手順3:アバットメントを連結する二次手術
インプラント体と骨がしっかり結合したことを確認した後、二次手術を行います。
二次手術は一次手術よりも侵襲が小さく、局所麻酔のみで行われることが多いです。
カバーの上の歯肉を小さく切開し、カバーを取り外します。
インプラント体の周りの骨を調整した後、仮のアバットメントを連結します。
切開した部分を縫合した後は、歯肉の治癒期間として1〜2週間程度必要です。
手順4:上部構造の製作と装着
アバットメント周りの型取りを行いながら、上部構造の色や形、材質について希望を伺います。
型取りしたデータは、歯科技工所に送られ、1〜2週間程度で上部構造が完成します。
仮の上部構造を装着して、噛み合わせや審美性を確認し、必要に応じて調整が必要です。
問題がなければ、最終的な上部構造を装着し、治療は終了となります。
インプラントを長く使うためには、3〜6ヶ月に1度のメインテナンスが重要なため忘れないようにしましょう。
まとめ
インプラントは3つのパーツで構成されていて、それぞれのパーツにはさまざまな種類があり、口内の状態やご要望に応じて適切なものが選択されます。
インプラント装着後は定期的なメインテナンスと丁寧な口腔ケアが重要です。
静岡石田インプラントセンターでは、一人ひとりの口内の状態や希望を丁寧にお聞きし、精密な検査結果を基にオーダーメイドの治療を提案します。
インプラント治療を通して、生活の質向上のサポートが可能なため、まずは治療に関する疑問や不安な点などがあればお気軽にご相談ください。
