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左下欠損による傾斜歯とインプラント治療
2025年9月6日
本日は「左下の欠損部における傾斜歯への負担から抜歯に至り、インプラントで再構築した症例」をご紹介します。
症例背景と主訴
患者様は左下の奥歯に強い痛みを訴えて来院されました。
欠損部には以前ブリッジ治療が行われていましたが、支台歯が大きく傾斜しており、咬合力に対して歯根が耐えられない状態に陥っていました。

診断のポイント
レントゲン所見では、歯根に対して不自然な方向に咬合負担がかかっていることが確認できました。
ブリッジの傾斜は咬合力の不均衡を招き、支台歯の寿命を縮める要因となります。
さらに欠損を放置すると、隣在歯や対合歯が傾斜・移動し、咬合バランスの崩壊へとつながるリスクがあります。
治療の流れ
傾斜による強い負担から保存は困難と判断し、左下の支台歯を抜歯しました。
その後、欠損部にはインプラントを垂直方向に埋入し、咬合力を安定的に受け止められる補綴治療を行いました。
また、右下大臼歯も同様に傾斜が進んでおり、長期的には保存が難しい可能性があることもご説明しました。

考察
大臼歯は本来、咬合力を受け止めるために歯根が垂直方向に位置していることが理想です。
しかし歯が傾斜してしまうと、力が「歯を抜く方向」に加わり、破折や歯周組織の破壊を招きやすくなります。
欠損を放置すると歯の移動が連鎖的に起こり、結果的にさらなる補綴が必要となる悪循環に陥ります。
そのため、欠損が生じた際には早期にインプラントやブリッジなどの補綴治療を行うことが重要です。
また、すでに移動や傾斜が起きている場合には、矯正によって位置を整えることも有効な選択肢となります。
まとめ
欠損をそのままにしておくことは、静かに進む川の流れのように気づかないうちに歯列全体のバランスを崩し、次なるトラブルを呼び込みます。
早めの補綴治療を行うことで、「欠損放置のリスク」を防ぎ、インプラントによる確かな安定性と健やかな咬合を取り戻すことができます。