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インプラント治療の前に確認すべき「開口量」と「骨の厚み」
2025年11月6日

本日は、右下に2本のインプラント埋入を希望されて来院された患者様のケースをご紹介します。
欠損部の状態と治療の検討
診査の結果、欠損部自体に大きな問題はありませんでした。
しかし、欠損期間が長かったために頬側の骨が吸収し、やや狭窄(幅が細く)した状態となっていました。
歯を失ってから長い期間が経つと、このように骨の幅や高さが徐々に減っていく傾向があります。
このようなケースでは、単にCT画像やレントゲンだけを見てプランを立てるのではなく、実際の患者さんの状態(骨の厚み・開口量・筋の動きなど)を考慮することが非常に重要になります。
開口量が少ないと、インプラントが入らない
今回の症例で特に注目すべき点は、「開口量」です。
インプラントは骨に対して垂直に埋入することが理想ですが、口が十分に開かない場合、そもそも器具を正しい角度で挿入できません。
特に一番奥の歯(第二大臼歯部など)では、開口量が小さいだけで手技的に非常に難しくなるのです。
また、サージカルガイドを使用する場合、装着によってさらに厚みが増すため、器具(バー)が入らなくなるというリスクもあります。
今回の治療方針
このケースでは、
* 長いインプラントを選ぶと物理的に入らない可能性がある
* ガイドを使用するとさらにアクセスが制限される
といった理由から、やや短いインプラントを選択し、ガイドを用いずに慎重に埋入を行う方針としました。
治療計画は「机上」だけで終わらせない
インプラント治療というと、CTデータを用いたデジタルプランニングが注目されがちですが、
実際の治療で最も大切なのは、「データの裏にある患者の現実」を理解することです。
骨の形態や厚み、開口量、舌の動き、顎の可動域など、
患者一人ひとりの特性を見極めることが安全で確実な手術結果につながる第一歩です。
まとめ
インプラント治療は、単に「埋める」だけの治療ではありません。
骨の状態・開口量・筋肉のバランスなど、細かな条件を一つずつ見極めながら、
「その方に最適な形」をデザインしていくプロセスです。
当院では、デジタル技術と経験に基づいた臨床判断の両方から、
安全かつ長期的に安定したインプラント治療を提供しています。