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「インプラントは意外と細い?──天然歯との幅径ギャップの話」

2025年12月10日

インプラント治療の相談で多いのが、
「インプラントって本来の歯より小さいんですか?」
という質問。
今日は “幅径(直径)” にフォーカスして、その違いとケアの必要性についてお話しします。

■ 第一大臼歯のインプラントに多いのは「直径5mm」
一般的に、下顎第一大臼歯を失った場合、
選択されるインプラントの幅径は 5.0mm前後 が多いです。
* 骨の厚み
* 下歯槽管との距離
* 角化歯肉の幅
これらを考慮し、過度に太いインプラントを選ばないのが一般的です。
しかし、ここに一つ誤解があります。

■ 天然の第一大臼歯は、実はもっと太い
天然歯(下顎第一大臼歯)の歯根幅径を見てみると…
* 近心根:約4.5〜5.5mm
* 遠心根:約4.0〜5.0mm
そして2根を合わせた“全体の歯根幅”として捉えると、
インプラントよりも確実に大きい構造になっています。
つまり、天然歯のほうがインプラントよりも太いのが事実です。

■ では「歯冠」の幅は?
さらに大切なのが 歯冠幅径(噛む面から見た横幅)。
下顎第一大臼歯は、
* 頬側—舌側:約10〜11mm
* 近心—遠心:約11〜12mm
と、かなりボリュームのある歯です。
一方、インプラントの直径は 4mm〜5mm 程度。
つまり、
歯冠の幅 > 歯根の幅 > インプラントの幅径
という“サイズのギャップ”が必ず生まれます。

■ ギャップが生む課題:清掃空隙は広くなる
天然歯では、歯根が二つに分かれ、骨に包まれるようについていますが、
インプラントは 1本の円柱。
そのため、
* 歯と歯の間の空隙(インタープロキシマルスペース)が広くなりやすい
* 天然歯よりプラークが停滞しやすい
* 食片圧入が起こりやすい
* インプラント周囲炎のリスクが高まる
という構造上の特徴があります。
これは手術の上手い下手とは関係なく、
インプラントの形態そのものが生む宿命的な違いです。

■ フロス・歯間ブラシが“必須”となる理由
天然歯のように、根が二股に分かれたり、
根面に凹凸があるわけではないインプラント。
そのぶん、周囲の清掃がダイレクトに予後へ影響します。
◆ 必須アイテム
* デンタルフロス
* 歯間ブラシ(適正サイズ)
* 必要に応じて スーパーフロス
特に大臼歯のインプラントは清掃空隙が広くなるため、
歯間ブラシを使うことが非常に有効です。

◆ まとめ
1. 大臼歯用インプラントは 直径5mm前後が一般的
2. 天然の第一大臼歯は 歯根も歯冠もインプラントより大きい
3. そのギャップにより 清掃空隙が広くなりやすい
4. インプラントを長持ちさせる鍵は フロス・歯間ブラシの習慣化

インプラントは“人工の歯”ですが、
天然歯とは構造もルートも違います。
その違いを理解することで、
治療後のメンテナンスがより「意味のあるケア」になります。
インプラント治療をお考えの方は、
お気軽にご相談ください。