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「インプラント?被せ物?虫歯?」実は違う原因だった

2026年1月28日

インプラントの被せ物に穴が開いた!
と訴えて来院された患者様。

「これは虫歯ですか?」
「インプラントがダメになったんでしょうか?」
「被せ物が割れた気がします」
昨日こうしたクエスチョンマークを抱えて来院された患者様がいらっしゃいました。

黒く見える。
穴が深くなった気がする。
引っかかる感じがする。
不安になりますよね。
ですが、結論はとてもシンプルでした。
虫歯でも、インプラントのトラブルでもなく、
インプラント補綴物のアクセスホールがすり減っていただけ、というケースです。

そもそも「インプラントのアクセスホール」とは?
インプラントの被せ物(上部構造)には、
内部のネジを締めるための小さな穴が存在します。
これを アクセスホール と呼びます。
* インプラント体と被せ物をネジで固定するための通路
* 治療後はレジン(樹脂)などで塞がれている
* 見た目上はほとんど分からないことが多い
つまり、構造上どうしても必要な穴です。
そして、被せ物の本体とは異なる材質なのです。

なぜ「虫歯っぽく」見えるのか?
アクセスホールがすり減ると、次のような変化が起こります。
* レジンが摩耗し、凹みが深くなる
* 色が変わり、黒っぽく見える
* 食べ物が詰まりやすくなる
* 舌で触ると違和感が出る
これが、
「虫歯では?」
「中が悪くなっているのでは?」
という不安につながります。
特にインプラントは神経がないため痛みが出にくく、
見た目や感覚の変化だけが手がかりになります。

すり減る原因は?
アクセスホールのすり減りは、決して珍しいことではありません。
主な原因は以下です。
* 咬み合わせの力が強い
* 歯ぎしり・食いしばり
* 硬いものをよく噛む習慣
* 長年の使用による経年劣化
インプラントは天然歯よりも力をダイレクトに受けやすい構造です。
そのため、アクセスホール部分に負担が集中することがあります。
できるだけアクセスホールは咬合に関与しない場所に設置するというルールが決められていますが、それでも食事の仕方や使用頻度によってはすり減りを認めたり取れたりすることもあります。近年は補綴物のほとんどがジルコニアとなりますので、ジルコニアとプラスチックの相性の悪さというのもとれる要因にはなりますね。

放置しても大丈夫?
「すり減っているだけなら放置してもいいですか?」
と聞かれることもあります。
答えは ケースバイケース ですが、
多くの場合は 早めの対応が望ましい です。
理由は、
* 汚れが溜まりやすくなる
* 内部のネジに影響が出る可能性
* さらに摩耗が進むと補修範囲が大きくなる
といったリスクがあるためです。

治療はどうする?
治療自体は、比較的シンプルなことがほとんどです。
* すり減ったレジンを除去
* 内部の状態を確認
* 新たにレジンでアクセスホールを封鎖
場合によっては、
* 咬み合わせの調整
* ナイトガードの提案
を行うこともあります。
「インプラントをやり直す」
「被せ物を作り直す」
といった大がかりな治療が必要になるケースは多くありません。

最後に:違和感は「気のせい」ではありません
今回のように、
* 虫歯でもない
* インプラントの失敗でもない
* でも何かおかしい
という状態は、実際によくあります。
違和感は、体からの小さなサインです。
インプラントだからこそ、痛みが出る前のチェックが大切になります。
「これ、何だろう?」
そう思った時点で、遠慮なくご相談ください。