Blogブログ
「歯医者は終わりが見えない」といわれる理由は?治療期間の目安などを解説
2024年12月19日
一度歯科医院への通院を始めると「また1週間後に」というように、なかなか通院が終わらないと思った経験は1度くらいはあるでしょう。
よく「歯科医院は終わりが見えない」といわれますが、これにはきちんとした理由があります。
この記事では、「歯科医院は終わりが見えない」といわれる理由や虫歯の治療期間の目安、治療を放置する危険性などについて解説します。
これから歯科医院での治療を始めようとしている方、治療の終わりが見えないと不安を抱えている方はぜひ最後までご覧ください。
「歯医者は終わりが見えない」といわれる理由
「歯科医院は終わりが見えない」といわれる理由はさまざまです。
ここではよく挙げられる6つの理由について解説します
治療が段階的に進むため
歯科医院で行われる治療の多くは段階的に治療が進むため、通院期間が長く「終わりが見えない」状態になってしまいます。
歯科治療において、投薬のみで完治するものはほとんどなく、歯科医師が担当する処置を段階的に進めて行く必要があります。
初期の虫歯や歯周病であれば1〜2回程度の通院で、あとは定期健診程度の通院だけになる場合も多いです。
一方で症状が進むほど、通院期間や回数が多くなっていきます。
虫歯の場合は、虫歯を削って終わりではありません。
削る範囲によっては、削った部分を埋める詰め物を作成したり、根っこの消毒だったりが必要です。
さらに、虫歯の状態によってレントゲン撮影や外科的処置が必要になれば、より通院期間や回数が多くなるでしょう。
虫歯の進行によっては回数が必要なため
虫歯の治療では、進行度合いによって薬剤の浸透時間や感染部分の除去などが必要です。
先程も触れたとおり、初期の虫歯であれば1〜2回程度の治療で完了しますが、痛みやしみるなどの自覚症状が出ている虫歯の場合は治療期間や回数が多くなるかもしれません。
虫歯が神経まで達している場合、虫歯菌に感染した部分の除去や消毒を繰り返すため、少なくても4〜5回程度の通院が必要です。
かぶせ物などを作製する時間があるため
虫歯治療や抜歯などで詰め物やかぶせ物、差し歯などを使用する場合は、作成時間があるため時間がかかります。
詰め物やかぶせ物などはオーダーメイド品になり、歯型を取ったあとに歯科技工士へ作成を依頼します。
素材の耐久性を保ち、隙間ができないものに仕上げるために時間の短縮は難しいです。
詰め物やかぶせ物などが完成しないことには治療を進められないため、治療期間が伸びてしまうことがあります。
1本ずつ治療を進めるため
複数の虫歯がある場合、1本ずつ治療を進めるため治療に時間がかかります。
すべてが初期段階の虫歯であれば、1度に治療を行うこともありますが、すべての虫歯の進行状態が違う場合もあります。
そうなると進行状態によって治療内容が変わり、同時に複数の歯を削ってしまうと噛み合わせが崩れてしまうかもしれません。
噛み合わせが崩れると食事がしにくくなるだけではなく、体のバランスが崩れてさまざまなトラブルの原因になる可能性があります。
そのため、治療優先度の高い虫歯から1本ずつ治療を進めるため治療期間が長くなります。
継続的なメンテナンスが必要であるため
治療が終わっても歯や口腔内の健康を維持するためには継続的なメンテナンスが必要であるため、通院を提案されることがあります。
歯や口腔内の健康は日々の歯磨きなどのセルフケアも大切ですが、歯石除去などはセルフケアでは対応できません。
虫歯ができた場合でも、初期であれば少し削るだけで対応できることも多いです。
歯と口腔内の健康を守るため、歯科医師から継続的なメンテナンスを提案されるかもしれません。
保険治療のルールが存在するため
虫歯や歯周病は保険適用での治療が可能ですが、保険適用にするためには厚生労働省が定めたルールに従う必要があります。
このルールはかなり細かくきめられており、詰め物やかぶせ物などを作成する素材や作り直しまでの期間などです。
そのなかでも、治療期間が延びてしまう原因として「チェアータイム(チェアタイム)の制限」と呼ばれるルールがあります。
チェアータイムとは1回の診療で治療できる時間です。
仮に3時間あれば1回の通院で治療完了する虫歯があった場合、保険診療にするにはチェアータイムの制限があるため、数回に分けて治療を進めます。
自由診療になっても良ければ、3時間かけて治療完了できる場合もありますが、治療費は10割負担になります。
レベル別虫歯の治療期間の目安
ここでは歯科医院で治療を受けることの多い、レベル別虫歯の治療期間の目安について解説します。
実際の治療期間は虫歯の本数や場所などによって変動するため、気になる場合は事前に歯科医師に聞いてみましょう。
初期虫歯は0日
初期の虫歯は痛みといった自覚症状もない状態であれば治療期間の目安は0日です。
わずかに穴が開いている状態であれば、少し削ってレジンを充填することもあります。
穴も開いておらず、わずかに色味が付いているだけであれば、フッ素塗布のみを行って経過観察を行う場合もあります。
初期の虫歯であれば、適切なケアを行うことで歯の再石灰化によって治るかもしれません。
しかし、虫歯であることに変わりはないため、治療期間は0日ですが悪化しないために経過観察とて定期的な検診をすすめられることが多いです。
中度虫歯は約1日
中度の虫歯は歯の表面にあるエナメル質にまで虫歯が広がっている状態で、治療期間の目安は約1日です。
中度の虫歯は、虫歯部分が黒く見えますが痛みといった自覚症状もない場合が多いです。
虫歯がまだ小さく再石灰化が期待できる場合は、フッ素塗布を行い経過観察をします。
しかし虫歯がエナメル質深く、象牙質近くまで達している場合は虫歯を削ってレジンを充填します。
中度の虫歯が1本であれば、約1日程度で治療完了です。
重度虫歯は約1週間
重度の虫歯は象牙質にまで虫歯が進行した状態で、治療期間の目安は約1週間です。
冷たいものや甘いものを口にすると痛みが生じることもあり、象牙質はエナメル質よりも柔らかいため、虫歯の進行はエナメル質よりも早いです。
虫歯を削って除去したあとに詰め物やかぶせ物などを行います。
象牙質まで達した虫歯を削った場合はレジンの充填では間に合わないため、詰め物やかぶせ物を作成する時間がかかり、治療期間も伸びます。
基本的には3〜4回の通院が必要となり、虫歯の大きさや深さによっては治療期間が1週間以上になることも多いです。
神経まで到達した虫歯は約1ヶ月
神経まで到達した虫歯は治療内容が増えるため、治療期間の目安は1ヶ月です。
神経まで虫歯が到達するとズキズキと激しい痛みが生じ、歯にも大きな穴が開くため見た目でも虫歯であると分かります。
虫歯による口臭が強くなることもあります。
神経まで到達した虫歯治療の流れと通院回数の目安は以下のとおりです。
- 虫歯の除去と神経を抜く抜髄:1回
- 歯の根の洗浄を行う根管治療:2回以上
- 人工土台やかぶせ物の型取り・接着:2回以上
虫歯がどの範囲まで進行しているのかによって通院回数、治療期間が大きく異なります。
根管まで到達した虫歯は約1ヶ月~
虫歯が根管まで到達し、見える部分の歯がほとんどない状態であれば、治療期間の目安は約1ヶ月以上です。
ギリギリ歯を残せる状態であれば、「神経まで到達した虫歯」と同様の治療方法になります。
しかし、歯を残すことが難しい場合は抜歯するしか方法はありません。
抜歯後はブリッジ・入れ歯・インプラントなど抜けた歯を補うための治療が必要です。
抜歯自体は1日で完了しますが、抜歯したあとの消毒や炎症が収まるまで待つ必要があるため治療以外の待機期間が長いです。
ブリッジや入れ歯であれば治療完了まで1ヶ月以上、インプラントであれば3ヶ月〜1年程度かかります。
終わりが見えないと治療を放置するのは危険
治療の終わりが見えないと、ついつい通院がめんどくさくなってしまい治療を放置したくなるかもしれません。
しかし、歯科医院での治療を放置するのはかなり危険です。
ここでは歯科医院の治療を放置すると起こる可能性がある危険性について解説します。
常に痛みを感じる
治療を途中で放置するといっときは痛みや腫れが治まっているかもしれませんが、ぶり返す可能性が高く常に痛みを感じるようになるでしょう。
特にある程度進行した虫歯は自然治癒するものではありません。
象牙質まで到達すると冷たいものや甘いものを口にすると沁みたり、神経まで到達すると激痛が走るようになったりします。
常に痛みを感じる状態は、食事や睡眠などが満足にできず日常生活に支障が出ます。
食事や睡眠不足になることで免疫力が落ちて風邪などを引きやすくなるかもしれません。
かみ合わせが悪くなる
虫歯治療の途中で仮歯や仮詰めや抜歯した状態で放置すると、かみ合わせが悪くなります。
また痛みがあると、痛い所を避けるように咀嚼するためよりかみ合わせが悪くなることもあるでしょう。
かみ合わせの悪化はあごや顔のゆがみだけではなく全身のバランスが崩れる原因になり、さまざまな体調不良が現れる可能性もあります。
歯がなくなる可能性がある
虫歯や歯周病などを放置してどんどん進行していくと、最終的に歯がなくなる可能性があります。
歯がなくなった場合、抜いた部分を補うためにブリッジや入れ歯、インプラントなどの治療が必要です。
ブリッジや入れ歯であれば保険診療でも可能ですが、選べる素材が限られていたり審美性や装着感がやや劣ったりすることがあります。
インプラント治療や素材や審美性にこだわったブリッジや入れ歯を選ぶ場合は自由診療になるため、高額になる可能性が高いです。
虫歯菌が全身に回る可能性がある
虫歯を放置すると虫歯菌が血液中に侵入して全身に回り、健康被害をもたらす可能性があります。
虫歯菌は虫歯になるだけではなく、副鼻腔炎・骨髄炎・脳梗塞・心筋梗塞などの原因になり最悪の場合、生命に関わります。
「たかが虫歯」と侮って放置してしまうと、思わぬトラブルの原因にもなるため、歯科医院の治療は決して放置せず、治療完了まで適切に治療を受けましょう。
歯医者の治療をできるだけ早く終わらせるコツ
終わりが見えないといわれる歯科医院の治療ですが、できるだけ早く終わらせるコツがあります。
最後に、歯科医院の治療をできるだけ早く終わらせるコツを4つ解説します。
最新の治療機器・治療法を導入している歯医者へ行く
できるだけ早く治療を終わらせたい場合、最新の治療機器・治療法を導入している歯科医院へ行くようにしましょう。
日々治療に関する機器や治療法は進化しており、出血や痛みを抑えられるだけでなく傷の治りが早いといったより治療を効率的に進められる場合があります。
治療期間が短縮できる可能性のあり、最近導入が進んでいる治療機器としては以下のとおりです。
歯科用CT | ・口腔内全体を立体的に撮影可能
・歯根・神経・血管の位置も把握できる ・治療計画が立てやすい |
---|---|
レーザー機器 | ・殺菌・消毒・止血・鎮痛作用がある
・抜歯や歯茎切開時に活用することで施術時間の短縮が可能 ・止血時に使用することで血流の早期改善がみられるため治療期間の短縮が可能 |
マイクロスコープ | ・患部を6~32倍に拡大可能
・肉眼では確認できない虫歯を早期発見できる ・治療時間が延びる可能性はありますが治療期間の短縮が可能 |
口腔内スキャナー及びCAD/CAMシステム | ・CAD/CAMを活用することで詰め物やかぶせ物の設計・作成が簡単にできる
・歯型を取る手間と時間の短縮が可能 |
どういった治療機器や治療法を導入しているかは歯科医院によって大きく異なるため、ホームページなどでしっかりチェックしておきましょう。
セルフケアを徹底する
日々のセルフケアを徹底することで、虫歯の予防や進行を遅らせることができます。
そもそも虫歯を作らない、虫歯ができても初期段階で治療を受けることで短期間で治療が完了します。
セルフケアでは、歯磨きだけではなくデンタルフロスや歯間ブラシなどを使用して歯間汚れもしっかりと取り除くことを心がけましょう。
定期健診を受ける
歯科医院の定期健診を受けることで、自覚症状のない初期段階の虫歯や歯周病の早期発見が可能です。
早期発見できれば、治療も痛みを伴わず治療期間も短期で完了します。
また、定期健診では虫歯や歯周病の原因にもなる歯石や歯垢の除去、歯を強くするフッ素塗布も受けられます。
定期健診は2~3ヶ月に1回、最低でも半年に1回は受診するのがおすすめです。
歯科医師としっかりコミュニケーションをとる
歯科医師としっかりとコミュニケーションを取ることで、「治療の終わりが見えない」と不安を抱えずに済むかもしれません。
治療説明を受ける際により詳しく、どれくらいの期間で治療が完了するのか、何回くらいの通院が必要なのか聞いてみましょう。
大体どれくらいで治療が完了するのか、目安が分かっていれば「終わりが見えない」といった不安もなくなるでしょう。
まとめ
この記事では、「歯科医院は終わりが見えない」といわれる理由や虫歯の治療期間の目安、治療を放置する危険性などについて解説しました。
「歯科医院は終わりが見えない」といわれる理由には、治療が段階的に進んだり保険治療のルールが存在したりするためです。
できるだけ治療は放置せずに、治療完了まで通院するようにしましょう。
医療社団法人GRIT 小嶋デンタルクリニックではQOL向上・コミュニケーション・健康で輝く笑顔・自分が受けたい治療・オーダーメイド治療の5つの思いで治療をしています。
特に開院当初から数多くのインプラント治療に取り組み、歯科用CTの導入・インプラント測定機器・インプラントシステムの複数導入などを行っています。
抜歯後の治癒を待つ必要がない場合は5回の通院、約2〜3ヶ月でインプラント治療が完了します。
インプラント治療に興味がある、悩みがある方はお気軽に医療社団法人GRIT 小嶋デンタルクリニックへご連絡ください。